約 3,371,752 件
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/32.html
佐々木さんエンドレスエイトの巻 佐々木「我ながら困ったものだね。この夏休み、やりのこしたことを終わらせなければ、 永久に僕たちはループし続けてしまうらしい」 キョン「自分でわかってんならなんとかしてくれ」 佐々木「だから、困ったものだと言ったろう、キョン。自分でも止められないし、 何が心残りかも自覚できていないんだ。そんなに不満が多い夏休みだとは 思っていなかったんだけどねえ。 そういうわけで、キョン、悪いけれど、協力してくれないか」 キョン「まあ、断る理由はないな」 佐々木「助かるよキョン。君のそういう所は変わらないな」 佐々木「まずは二人でプールに行かないか。夏休みといえばこれは定番だと思う。 中三のときは受験だから、君とプールに行ったことはないし」 キョン「よしわかった。SOS団のみんなも呼んで、楽しくやろうぜ。朝比奈さんに弁当作ってもらうのもいいな」 佐々木「……」 佐々木「……色々言いたいことはあるのだけれど、次は盆踊りに初挑戦したいと思う」 キョン「よし、うまい綿アメ屋さんを教えてやろう。……ああすまんちょっと待ってくれ。 妹よ、おまえもいい年なんだからいいかげんひっつくな。ほら、あんず飴がほっぺたについてるぞ」 妹「キョンくんとってー」 佐々木「………」 佐々木「夜の学校で天体観測というのも興味深い、二人でひとつの毛布にくるまって……」 キョン「古泉の奴が天体望遠鏡持ってるらしいんだ。あいつに手伝わせよう」 佐々木「…………」 佐々木「学生らしく図書館で一緒に宿題を」 キョン「お前学校違うだろ。まあいいけど。……よう長門、またここか」 佐々木「……………」 佐々木「アルバイトというのも興味深……」 キョン「げ、ハルヒもここでバイトしてやがったのか!」 ハルヒ「ちょっとキョン! なんでその娘と二人でこんなとこにいんのよ!」 佐々木「………………」 キョン「色々やったがループが終わりそうな気配はないな。佐々木よ、お前の心残りってなんだろうなあ?」 佐々木「僕の心残りは指数関数的に絶賛上昇中だよ! キョンのバカーー!!」 キョン「な、何故?」 佐々木「結局、『もう夏休みアタックはダメだ。こっちの精神がもたない』と、 無意識の領域でまでその残酷な事実を認識することで、ようやくループが止まったよ…… 本当に疲れる夏休みだった……あれ、どうしたの橘さん?」 橘「42日間×15498回の神人の群れ……。いやあ、もうあそこに行きたくない。行きたくないよぉ」
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4622.html
*間違い探しのような感じで楽しんでいただければ幸いです。 半スリープモード解除。 現在日時、8月17日0時0分。 時間逆流停止、時間流再進行を確認。 セルフチェック開始。有機身体に損傷なし。個体情報に欠損なし。記憶リセット防止措置は成功と認められる。ただし、個体情報にエラー蓄積を確認。強制削除不能。蓄積エラー容量は許容範囲内と判断。現在、個体全機能は正常に動作中。 パーソナルネーム長門有希より、情報統合思念体へ。指示を求む。 不干渉原則を維持し、観測を継続せよ。 了解した。 世界構成情報、前シークエンスまでの平均値との差異0.0002%。当面の任務に影響なしと判断。 主要観測対象の現在位置を特定。 シークエンス103、観測開始。 ・ ・ ・ ・ ・ お盆を過ぎた夏の盛り。 俺は家の居間でダラダラしながら別に見たくもない高校野球をテレビで眺めていた。昼まで寝ていてついさっき起きたばかりということもあり、山と積まれた夏休みの課題に立ち向かう気力など微塵もあるわけがなく、ただダラダラと過ごしていたのである。 テレビに映る試合はたまたま俺の地元チームが出場しているものだったがボロ負けだった。はっきりいってこの状態から逆転するのは不可能と思えるありさまだったが、それでも俺は地元チームを応援していた。熱心に、というわけではなかったが。 テレビを眺めながら、ただなんとなく最近の出来事を回想する。 俺は妹を連れて母親の実家がある田舎まで避暑と先祖供養を兼ねて遠出して、久しぶりに顔を合わせたイトコやらハトコやら甥やら姪やらと二週間ばかり川や海や山や草原で心ゆくまで遊び倒してやって、昨日帰ってきたばかりだ。 昔は、従姉妹のねーちゃんに同じように遊んでもらったものだ。あのころのねーちゃんは、取り立てて美人というわけでもなかったが、俺には輝いて見えた……。 おっと、初恋の思い出に浸るなんて、俺のガラじゃねぇぜ。 なんて思った瞬間に、携帯電話が着信音をがなり立て始めた。 素早く表示を見ると、電話の主は涼宮ハルヒに相違ない。 また、何か疲れる出来事に巻き込んでくれるに違いないという確信を抱きつつ通話ボタンを押した。 『今日あんたヒマでしょ』 というのが第一ハルヒ声だった。 『一時ジャストに駅前に全員集合だから。ちゃんと来なさいよ』 それから、早口な声で持ってくるべきものを告げて、 『それとあんたは自転車で来ること。それから充分なお金ね』 と、言ったきり、あっさり切っちまいやがった。久々の会話だというのに、時候の挨拶も抜きならハローもなしだ。ついでに出たのが俺かどうかの確認すらしやがらねえ。 まあ、ハルヒらしいけどな。 涼しげな音がテレビから響いて目を遣ると、敵チームの得点はとうとう二桁に達しているところだった。金属バットに硬球が当たる音が容赦なく俺に告げる。 夏も終わりが近い。 クーラーをガンガンに効かせた閉めきった部屋に、ミンミンゼミの大合唱が壁からしみ出すように漏れ届いていた。 「しょうがねえな」 しかしハルヒの奴、夏休みが始まるや否や合宿と称して俺たちを変な島に連れて行っただけでは不充分だったのか。このクソ暑いのにいったい何をしようと言うんだ? 俺は冷房の効いている場所から動く気は全然しないぜ。 そう思いつつ、俺は言われた通りのブツを出すために洋服箪笥へと向かった。 「遅いわよ、キョン。もっとやる気を見せなさい!」 涼宮ハルヒがビニールバッグを振り回して、ご機嫌さんな顔で俺に人差し指を突きつけた。こいつは何も変わっちゃいない。 「みくるちゃんも有希も古泉くんも、あたしが来る前にはしっかり到着してたわよ。団長を待たせるなんて、あんた、何様のつもり? ペナルティよ、ペナルティ」 集合場所に現れた最後の人物は俺だった。ちゃんと十分前に来たってのに、他のメンツは急なハルヒの呼び出しをあらかじめ解っていたような速度で集合したらしい。おかげで毎回俺が奢るハメになるんだが、もう慣れたしあきらめたね。 ふと朝比奈さんに目を向けると、彼女は両手でバスケットを持っていた。何か期待していいようなモノが入っていそうな気配を感じ、俺はなんとなく楽しい気分になる。いつまでもそんな気分に浸っていたかったのだが、横から邪魔者が声を割り込ませてきた。 「お久しぶりですね。あれからまた旅行にでも出かけていたのですか?」 古泉一樹は輝かんばかりに白い歯を見せつつ俺に向かって指を立てた。 俺はそれを無視して、視線をその横に転進させた。 長門有希の無情に無機質な姿がそこにあった。汗腺があるのかどうかも疑わしいほど、汗一つかかずに直立している。 「…………」 動かないネズミのオモチャを見るような目つきで長門は俺を見上げ、ゆるりと首を傾けた。会釈のつもりだろうか。 「それじゃあ、全員も揃ったことだし、出発しましょ。市民プールにレッツゴー!」 ハルヒは誰の意見も聞かずに一方的にそう宣言した。まあ、基本的に俺以外の三人はハルヒに意見するなどという無駄な行為をしないので、毎度耳を貸されないのは俺の意見だけということになる。 常識的に考えて理不尽そのものなのだが、確かに常識的な人間なのは俺だけだからそうなる運命なのかもしれん。いやな運命だな。 俺が運命と宿命の違いについて考えているうちに、いつの間にか、俺がハルヒと長門を乗せて自転車を漕ぐことが規定事項となっていた。 長門は荷台にちょこんと座り、ハルヒは後輪のステップに足を乗せて俺の両肩をつかんでいる。 「ほら、キョン! なにボケっとしてるのよ! 古泉くんに置いていかれるわよ! さっさと漕ぎなさい!」 見れば、古泉は既に朝比奈さんを自転車の荷台に乗せて走り出していた。 おのれ、古泉。いますぐ交代しろ。 俺は心の中でそう叫びつつ、ペダルに力を込めた。ぐっ。さすがに二人分の体重はきついぜ。 くそ、帰りは絶対、朝比奈さんとの二人乗りを満喫してやりたい。この俺のママチャリだってきっとそう思っているはずさ。 市民プールはいっそのこと庶民プールと看板を書き換えたほうがいいのではないかというくらいのチャチな所で、なんせ五十メールプールが一つと、お子様用の水深十五センチくらいのでっかい水たまりしかない。 こんなプールに泳ぎに来ようという高校生はよほど行く場所に困った奴だけであり、すなわち我々だけであった。あとは、見事にガキとその母親しかいない。どうも俺の視神経を楽しませてくれるのは朝比奈さんだけのようである。 「うん、この消毒液の匂い。いかにもって気がするわ」 太陽光の下、真紅のタンキニを体に貼り付かせたハルヒが目を閉じて鼻をくんくん鳴らしている。 ハルヒに続いて更衣室から出てきた朝比奈さんは、まるで子供みたいなヒラヒラしたワンピースで、長門は地味で飾り気のないスクール水着みたいなやつである。 この二人の水着もハルヒが選んだものだろう。自分の衣装には無頓着なくせに、他人の(特に朝比奈さんの)衣装にはうるさい奴だからな。 「とりあえず荷物置く場所を確保して。それから泳ぎましょ。競争よ、競争。プールの端から端まで誰が一番速く泳げるか」 実に子供っぽいことを言い出して、準備運動もせずにさぶんとプールに飛び込んだ。あちこちに書いてある「飛び込み禁止」という言葉が読めないのか、こいつは。 「早くきなさーい! 水が温くて気持ちいいわよ!」 俺は肩をすくめて朝比奈さんと目を合わせ、手近な日陰に敷布やバッグを置くために歩き出した。 団員全員強制参加となった五十メートル自由形競争は、長門の連戦連勝。 そのあと、女子ユニット三人は、小学生グループと一緒になって水球ごっこ。俺と古泉は、そんな彼女たちの様子をただ眺めていた。 遅い昼食は、朝比奈さんお手製の幕の内弁当。オークションに出せば五十万円は下るまいというほどの価値がある感動的な味であった。 そして、黙々と食べ続ける長門を残し、男子小学生の集団と一緒に水中ドッヂボール。 それから一時間ほど後、俺と古泉は水から上がってプールサイドに腰掛けた。 どうにも場違いだ。ハルヒは何を思ってこんな何もない市民プールを選んだのだろう。造波プールくらい増設しろとは言わないが、もっと快活な高校生グループが出かけそうな場所がありそうなものだが。 じりじりと焼き付く陽光に、肌が大急ぎでメラニン色素を増強しようとしているのが解る。 そういや長門も日に焼けたりするのかなと思って姿を探すと、小柄な短髪無言娘はさっきの日陰にぺたんと座り込んだまま、怜悧な瞳を宙に固定させていた。 いつもの姿だ。どこに行っても変わりなく、土偶のように静止している長門の姿である……のだが、どこか違和感を覚えた。 一瞬だけ長門が退屈そうにしているように見えたのである。 しかし、俺はすぐにその考えを振り払った。あの長門に限って、それはありえないだろう。 そんなことを考えていた俺の足元から唐突に、 「この二人があたしの団員よ。何でも言うことを聞くから、何でも言っちゃいなさい」 目をプールに戻した俺は、女子児童の群れを引き連れて俺たちの足元までやってきたハルヒを発見した。 元気溌剌な小学生たちの相手に疲れたのか、朝比奈さんは顎まで水面に付けて軽く目を閉じている。小学生以上に悩みなく絶好調なハルヒはキラキラ輝く瞳を俺と古泉に向けて、 「さあ、遊ぶわよ。水中サッカーをするの。男二人はゴールキーパーやってちょうだい」 「それはどんなルールのどんなスポーツだ」 突っ込みはあっさり無視され、俺はしぶしぶ立ち上がった。古泉も微笑を振りまきつつ子供たちの輪に加わっている。 俺は近くに浮いていたアヒル型浮き輪を押し返しつつ、ハルヒがオーバーヘッドキックの要領で蹴り飛ばしたビーチボールを追いかけた。 ふんだんに遊び果て、ようやく俺たちは市民プールを後にした。帰りも俺は曲芸三人乗り、古泉は青春タンデムである。こうやって人の心って荒むんだな。 ハルヒが気ままに示す方角に自転車を漕いでいたら、集合場所の駅前に舞い戻ることになった。 ああ、そうだったな。俺は全員に奢らなければならないのだったな。 喫茶店に落ち着いた俺は冷たいおしぼりを首に巻いて椅子にもたれ込んだ。すかさず、 「これからの活動計画を考えてみたんだけど、どうかしら」 テーブルに一枚の紙切れが厳かに降臨し、俺たちに見ろとばかりに人差し指が突きつけられる。破いたノートのA4紙切れ。 「何だ、これは?」 俺の質問に、ハルヒは自慢たらしい表情で、 「残り少ない夏休みをどうやって過ごすかの予定表よ」 「誰の予定表だ」 「あたしたちの。SOS団スーパースペシャルベストサマーシリーズよ!」 ハルヒの手書き計画書には、次のような日本語が書いてある。 ○『夏休みにしなきゃダメなこと』 ・夏期合宿。 ・プール。 ・盆踊り。 ・花火大会。 ・バイト。 ・天体観測。 ・釣り。 ・昆虫採集。 ・肝試し。 ・その他。 夏休み熱。 たぶんそんな熱病がどっかの密林からチョロチョロと出てきたんじゃないだろうか。蚊だか何だかを媒介にしてウツるんだきっと。 ハルヒの血を吸ったその蚊に同情するね。食あたりで落下してるだろうからな。 上記のうち、夏期合宿とプールには大きなバッテンマークが重なっていた。どうやら終了済みという印らしい。 するとだ、あと以下これだけのメニューを二週間足らずでこなさないといけないわけか。しかも「その他」って何だ。まだ何かするというのか。 「何か思いついたらするけどね。今んとこはこれくらいよ。みくるちゃんは何かしたいことある?」 「えーと……特にありません」 さらにハルヒは長門と古泉の要望も聞こうとしたが、長門は黙って首を振り、古泉も微笑みながら固辞した。 毎度のことながら、俺の意見は聞かれもしない。まあ、俺も要望はないけどな。 「明日から決行よ。明日もこの駅前に集まること! この近くで明日に盆踊りやってるとこってある? 花火大会でもいいけど」 「僕が調べておきましょう」 古泉が買って出た。 「おって涼宮さんに連絡します。とりあえずは盆踊り、または花火大会の開催場所ですね」 「任せたわよ、古泉くん」 上機嫌にハルヒはチョコレートパフェのアイスを一口で飲み込み、宝島の在処を示す地図でも仕舞うような手つきでノートの紙をたたんだ。 翌昼、俺から惰眠を奪い去ったのはまたしてもハルヒからの電話である。 盆踊り会場が見つかった。時間は今夜。場所は市内の市民運動場。 縁日もセットだそうだ。 そりゃいい。盆踊りなんて真面目に踊る気はさらさらないからな。眺めてるだけじゃ、暇をもてあますところだった。 そして、いつもどおり駅前集合だ。余裕をもって家を出たつもりだったが、また俺が最後だった。 「みんなで浴衣を買いに行くの」 スケジュールの手始めはそうなっているらしい。 「みくるちゃんも有希も浴衣持ってないんだって。あたしも持ってない。この前商店街を通りかかったら下駄とセットで安いやつが売ってたわ。それにしましょう」 ちなみにいうと、古泉は既に浴衣姿だ。それも『機関』の支給品か? 土台がいいと何でも似合うわな。忌々しい。 俺は普段着で行かせてもらうことになった。浴衣を着るのは旅館ぐらいで充分だ。俺の浴衣姿なんか見ても楽しいもんじゃない。 婦人服衣料の量販店に飛び込んだハルヒは、朝比奈さんと長門のぶんも勝手に選んでずかずか試着室へと向かった。長門以外の二人は着付けの仕方を知らなかったため、女の店員に着せてもらうことになったのだが、これがやけに時間がかかる。 俺と古泉はただあてどもなく女物の洋服が立ち並ぶ棚の周囲をウロウロとしてようやくのこと、三人が鏡の前に出そろった。 ハルヒは派手なハイビスカス柄で、朝比奈さんは色とりどりのチューリップ柄、長門はそっけなく地味なアジサイ柄であった。それぞれの浴衣姿はそれぞれに趣があって、俺はなぜだか視線を向ける先に困った。 女店員は「どっちがどの娘の彼氏なのかしら」と言いたげな表情で俺と古泉をちらりちらーりと眺めている。朝比奈さんの彼氏は俺だと名乗り出たい気分だったが、さすがにそれは自重した。 「みくるちゃん、あなた……。可愛いわ! さすがはあたしね。あたしのやることに目の狂いはないのよ!」 ハルヒはまるで我がことのように自慢げである。 確かに、朝比奈さんのお姿はハルヒ押し付けコスチュームの中ではトップクラスにマシな代物だった。 滅茶苦茶似合ってるし。まるで俺の妹が浴衣着ているような雰囲気すら漂っていて、それにしては帯の上部分がアンバランスに膨らみすぎているが可愛ければ何でもアリだ。 すべてを許してしまえる神々しさが朝比奈さんの体躯から放出されている。たとえ彼女が銀行強盗の主犯となったとしても、俺は弁護側の席に座るね。ハルヒだとどうかは解らないが。 気づけば時間もちょうどよい頃合いで、俺たちは市民グラウンドへと隊列を組んだ。 日没前なのにすでに賑わっている盆踊り会場には、どこからともなく市民たちが沸き溢れ蠢きあっていた。よくもまあこれだけ集まれるものだ。 「わあ」 素直に感嘆しているのが朝比奈さんで、 「…………」 どうやったって無反応なのが長門である。 盆踊りで本当に踊っている奴をあんまり見たことがないのだが、今回もそうだった。しかし盆踊りね。なんだかすごく久しぶりに見るな。 「みくるちゃん、あっちでヨーヨー釣りやってるわよ。行きましょ。でかいやつはプラス三百ポイントだからね」 勝手なルールを決めて、ハルヒは朝比奈さんの手を引いてヨーヨー釣りの水槽へとダッシュしていく。 「僕たちもやりましょうか。何個釣れるか、一勝負いかがです?」 ゲーム好きな古泉が提案し、俺は首を振った。水風船なんか持って帰っても、妹が破裂させて部屋を水浸しにするのがオチだ。それよりも、そこかしこで食欲増進を後押しする芳香漂う屋台のほうに興味があるね。 「長門はどうだ? 何か食うか?」 笑わない目が俺を見つめ、ゆるやかに視線が移動。そこにあったのはお面売り場である。そんなもんに興味があるのか。こいつの趣味も解らないな。 「まあいいか。とりあえず一周してみようぜ」 スピーカーが唸るように響かせているイージーリスニングみたいな祭囃子。それに誘われるように、俺は長門をお面の屋台へと連れて行くことにした。少しばかり古泉が邪魔だと感じつつ。 「大漁だったけど、たくさんもいらないから一個ずつ貰ってきたわ。みくるちゃんは全然釣れなかったんだけどね。あたしの分をあげたの」 朝比奈さんの指には水風船がぶら下がっていた。紐のゴムをしっかり握りしめている朝比奈さんの仕草がいちいち可愛らしい。もう片手に握りしめているのは綿飴で、俺は妹にも買って帰ってやろうかと考えた。たまには妹のご機嫌取りもいいだろう。 一方ハルヒは、左手で水風船をボンボンさせながら右手にお好み焼きのトレイを持ち、 「少しだけなら食べていいわよ」 と言って差し出してくる。俺がソースでベタベタのお好み焼きを味わっていると、 「あれ、有希。そのお面どうしたの?」 「買った」 長門がお好み焼きのトレイをじっと見つめながらそう呟く。 長門が頭に横掛けしているのは昔マニアの間で流行った鬱アニメのヒロインのものだ。確かなんとかレイだったかな。あいにく俺はそっち方面に詳しくないのでね。 何か波長の重なるものがあったんだろ。浴衣の袂からガマ口を出して所望したのがそれだった。 なんとなく長門には世話になっているような気がしたのでそれくらい買ってやってもよかったのだが、無言のうちに長門は拒絶して自分の金を出していた。そういや、こいつの収入事情はどうなっているんだろう。 櫓の周りでは炭坑節にあわせて浴衣婦人と子供たちがユラユラと踊っている。どこかの老人会と婦人会と子供会のメンツばかりのように見えた。単に遊びに来た奴は盆踊りで生真面目に踊るなんてことはしないだろうからな。俺たちもしない。 朝比奈さんは、どこか未開のジャングルに行って現地人から歓迎の踊りを披露されたような顔で踊る人間たちを見つめ、 「へぇー。はぁー」 感心するような小声を出していた。未来には盆に踊る風習はないのかね? ハルヒを先頭とする俺たち一団は、それから縁日のひやかしを専らとし、後はハルヒの「あれ食べよう」とか「これやってみましょう」という言葉にただ付き従う従僕となった。 ハルヒはやたらに楽しそうで、朝比奈さんもそのようだったから俺も楽しいことではあった。驚いたことに、古泉までが作り笑いではない微笑を浮かべて楽しそうに見えた。長門が楽しがっているかどうかは俺には解らない。 夏で、夏休みだった。 浴衣姿の三人娘を眺める俺は、それだけですべてを許してしまえる気がしていた。 だからハルヒが、 「花火しましょう花火。せっかくこんな恰好してるんだし、まとめて今日やっちゃいましょ」 そう言い出したときも、ほとんど全面的に賛同したくらいだ。 露天で売っていた花火セットを購入した我々は、近くの河原へと移動を開始した。 それから一時間後、線香花火に目を丸くする朝比奈さんや、ロケット花火を両手に持って走り回るハルヒ、にょろにょろとのたくるヘビ玉をいつまでも見つめ続ける長門など、写真に収めたくなるような光景がそこにあった。 来る途中で、カメラを買っておくべきだったな。 川の水を浴びせかけた花火の残骸をコンビニ袋へ片付けている古泉を横目に、ハルヒは指で唇の端を押さえるようにしていたが、 「じゃあ、明日は昆虫採集ね」 何が何でもリストに挙げた項目は消化するつもりらしい。 「虫網と虫カゴ持って全員集合のこと。いいわね。そうね、全員で採った数を競うの。一番多く虫を捕まえた人は一日団長の権利を譲ってあげるわ」 その称号がもらえるなら、俺はハルヒに腹がはちきれるまで奢ってもらうとしよう。 「うーんと……、カブトムシ限定! そう、これはSOS団内カブトムシ採り合戦なのよ。ルールは……種類はなんでもいいから、一匹でも多かった人の勝ち!」 一人で言い出してやる気になっているハルヒは、団扇を捕虫網に見立てて虫を追うモーションをシャドープレイしている。網とカゴか。家の物置にあったかな。昔使ってたやつ。 そうしてやっと自宅に帰り着いたとき、俺は綿飴のテイクアウトを忘れていたことに気付いた。 翌日、雨でも降ればいいとテルテル坊主に五寸釘を刺していたのに、とんでもない日本晴れが到来した。 「カブトムシって食べられるのかしらね。天ぷらにしたら美味しいかも。あ。あたしタマに思うんだけど、天ぷらが美味しいのって、ひょっとしたら衣が美味しいだけなんじゃない? だったらカブトムシもそうかもよ」 お前一人で喰ってろ。 いい年した高校生が五人も集まって、それぞれ虫取り網とカゴ持参で歩いている図というのも異様だよ。 昼前に集合した俺たちは、緑を求めて北高へ至るルートを踏破していた。なんせ我々の高校は山の中にあるので、無駄に木々が生えくさっており、森や林を根城とする昆虫たちの絶好の住処にもなっているのだ。 だが、一匹がペットショップで何万円の値がつくこのご時勢に、そう簡単にカブトムシが見つかるわけもなく、捕獲対象はあっさりセミに切り替えられた。 標的がセミになったあとは、入れ食い状態だった。わたわたこわごわ網を振り回す朝比奈さんでさえ収穫があったくらいだから、ここいらのセミは人間がこの世で最も警戒すべき動物だとは認識していないのかもしれない。 そうやって捕獲しまくったため、虫カゴはあっという間に満杯になった。 どうすんだよ、これ? そんな俺のモノローグを感じ取ったわけではないだろうが、ハルヒはこう言った。 「やっぱキャッチアンドリリースの精神が必要よね。逃がしてあげたら将来、恩返しに来てくれるかもしれないし」 俺は人間大のセミが家の扉をノックしている姿を思い描いてげんなりする。 一方的に捕まえて逃がして、それで恩返しに来る奴がいたら、そいつはまさに虫なみの知能だ。どうせならリベンジしに来るほうがまだいい。 ハルヒは虫カゴのフタを開けると、前後に揺り動かした。 「ほら! 山に帰りなさい!」 俺もハルヒに倣う。 カゴから湧き出るセミたちは、可愛い悲鳴を漏らしてしゃがみこんだ朝比奈さんの上で舞い踊り、棒立ちの長門の頭をかすめて、あるものは螺旋を描き、あるものは一直線に、夕焼け空へと遠ざかっていった。 またその次の日は、アルバイトが待ち受けていた。 ハルヒがどこからか取り付けてきたアルバイトで、有り難くも俺たちに斡旋してくれたのである。 その一日だけのアルバイト内容とは、モデル撮影会だった。しかも、ウェディング衣装の。 女子団員や古泉の野郎はともかく、俺なんかには場違いもいいところだ。 「何言ってるの。あんたみたいな冴えない男が隣にいるからこそ、花嫁が映えるんじゃない」 もしかしなくても、それは褒めてねぇよな。 なまじ当たってるだけに、反論の言葉が出てこないことが口惜しい。 俺は似合いもしない衣装を着せられ、花嫁をとっかえひっかえして、写真を撮られた。 朝比奈さんが顔を赤らめながら隣に来たときは卒倒するかと思ったね。純白のドレスに身を包んだ朝比奈さんは、まさにこの世に舞い降りた天使といったところで、俺はそのまま昇天しそうになった。 ハルヒや長門も綺麗だったのは事実だが、別に言葉に出して言うべきものでもないさ。 俺が終わると次は古泉の番だった。くそぉ。やっぱ土台がいい奴は違うぜ。古泉は誰が隣に来てもお似合いといった感じで、俺は心の中で延々と呪詛の言葉を吐き続けていた。 バイト代は、三着のウェディングドレスに化けた。 おいおい、いいのかよ。ウェディングドレスといえば、結構な値段がするものだろ。 「みくるちゃんも有希も、これは大事に仕舞っておきなさい! これを着るのはここぞというときだけにするのよ!」 ウェディングドレスは普通は結婚式の日にしか着ないものだぞ、ハルヒよ。 俺は撮られた写真が親類縁者の目に触れることがないことを祈願しつつ、その場をあとにした。 その翌日は天体観測の番だった。 実施場所は長門のマンションの屋上である。ごつい天体望遠鏡を古泉が持ってきて、三脚に備え付けていた。午後九時をまわったところ。 空はすっかり暗くなっており、古泉は楽しそうに微笑みを浮かべてセッティングに余念がない。 「幼い頃の僕の趣味がこれだったんですよね。初めて土星の衛星を捉えたときは、けっこう感動しましたよ」 長門は相変わらずの様子で、ただじっと屋上で立ちつくしている 順番に望遠鏡で火星の模様を眺めたり、月のクレーターを観察しながらの時が流れた。 不意に姿が見えなくなったなと思って探してみると、朝比奈さんは屋上の転落防止柵にもたれるようにして膝を抱えていた。ハルヒに連日連夜引きずりまわされてたからな。疲れてるのだろう。そのまま眠らせてあげよう。 劇的な変化もない夜空に飽きたのか、ハルヒは、 「UFO見つけましょうよ。きっと地球は狙われているのよ。今も衛星軌道くらいに異星人の先遣隊が待機してるはずよ」 楽しげに望遠鏡をぐるぐる回していたが、それにも飽きたのだろう。朝比奈さんの横に座り込んで、小さな肩によりかかってすうすうと寝息を立て始めた。 古泉が静かに言った。 「遊び疲れたのでしょう」 「俺より疲れてるとは思い難いけどな」 夜風にそよがれつつ、俺は二人並んで眠りこけているハルヒと朝比奈さんを眺めていた。こうしていればハルヒも朝比奈さんに引けを取らないよな。こっちのほうがいいって奴もいるだろう。それは間違いない。 「最近、調子はどうだ?」 「大変充実してますよ。友人とともに心行くまで遊び倒せる日々。中学時代の僕には到底考えられませんでしたね」 古泉は心底嬉しそうな表情でそう答えた。 俺も共感できない部分がないとはいわんが、もう少しゆったり過ごせる日があってもいいと思うがね。 「例の灰色空間はどうだ?」 「あの涼宮さんを見れば解るでしょう。少なくても団活が再開してからは一度も発生してませんよ」 まあ、そうだろうな。 古泉は音を立てないように天体観測セットを片付け始めた。 ふと視線を向ければ、長門が棒立ちで天空に顔を向けていた。無表情なのは相変わらずなのだが、何かおかしいような気がした。 さらに翌日。 今度は釣りだった。 県境の川で開催されるハゼ釣り大会に参加することとなったのである。 よくもまあ、こう都合よくイベントが見つかるものだ。 結局、ハゼは一匹しか釣れず、見たことのない小さな魚がエサをついばむばかりだったが、ハルヒの楽しみは投げ竿を振り回すことにあったみたいなのでぶーたれたりはしなかった。 間違ってジョーズを釣り上げるよりはよっぽど有り難いことだと俺は安堵し、エサのゴカイを見るなり青くなって遠くに逃げた朝比奈さんの手作りサンドイッチを心置きなく喰っていた。 それ以降もハルヒの目指すノルマ消化態勢は誰にもポーズボタンを押させない勢いで、俺たちは動きずくめだった。 本物の花火大会にも行った。浜辺でやる尺玉打ち上げ花火。三人娘は再び浴衣に衣替えして、どんどこ打ち上がってはバンバン破砕する火炎の華を(長門はどうだか解らないが)堪能した。 ハルヒは、まったく似ていないキャラ顔花火を指差して笑っていた。無駄に派手なことがハルヒは大好きなのだ。 そういうときだけハルヒの笑顔には邪気の欠片もなく、年齢よりも幼い感じがして俺はひょいと目をそらした。見つめていたら俺が変なことを考えてしまいそうであったからだが、まあ、その変なことなんてのが何かは俺にも解らない。 衣装は偉大であるって事だけ学習できた気分だ。 また別の日は、バッティングセンターに繰り出した。 ハルヒはいつぞや野球部からガメてきたデコボコバットでホームランを連発し、朝比奈さんはひたすらバントの練習をさせられていた。 以前の草野球大会の出来事が尾を引いているようだった。来年も参加するつもりなのか、ひょっとして。 今日は八月三十日、場所はいつもの喫茶店である。 ハルヒの握ったボールペンがすべての行動予定にバツマークをつけていた。 昨夜、わざわざ丑三つ時を選んで広大な墓地まで出向き、ろうそく片手に彷徨するという肝試しが最後のレクリエーションだ。 幽霊が挨拶しに出てくることもなかったし、人魂がふらふら散歩していることもなく、朝比奈さんが無益に怯えているところくらいしか見るべき所もなかったね。 「これで課題は一通り終わったわね。うーん、こんなんでよかったのかしら。……でも、うん。こんなもんよね。ねえ、他に何かしたいことある?」 すっかり疲れ果てていた俺は余計なことは口に出さず、他の三人はハルヒに意見するようなことはしない。 「まあいいわ。これで終了。明日は予備日に空けておいたけど、そのまま休みにしちゃっていいわ。また明後日、部室で会いましょう」 ハルヒは席をたってそのまま自動ドアをくぐって行ってしまった。 なんとなくダウナーだったような気がするが、これぐらいで古泉がアルバイトに駆り出されることはあるまい。さすがのあいつも残り少ない夏休みが名残惜しいのだろう。 「いやはや、明後日には学校ですか。いささか残念ですね」 古泉は本当に残念がっているのか疑いたくなるような微笑を浮かべてそう言った。 「そうですね」 朝比奈さんが相槌を打つ。 「さて、我々も行きますか」 古泉が去り、朝比奈が軽く会釈をして去っていく。 俺も伝票を手に取り席をたったが、長門だけは席に座り続けていた。 「長門」 俺の声に、夏用セーラー服を着た有機ヒューマノイドが顔をあげる。 「…………」 無言の無表情が俺を見つめ返す。拒絶することも受け入れることも知らない、無機の双眸が白い顔の上で開かれていた。 変な感じに気になった。長門がノーエモーショナルなのはいつでもどこでもだが、具体的に指摘はできないものの最近の長門は何かおかしいものがあるように思ったのだ。 「いや……」 呼び止めたのはいいが、よく考えたら言うべき言葉がないのに気付いて俺は少しばかり狼狽した。 「何でもないんだけどな。最近どうだ? 元気でやってるか?」 なんてバカなことを訊いているんだ俺は。 長門はパチリと瞬きをして、分度器で測らないと解らないくらいのうなずきを返した。 「元気」 「そりゃよかった」 「そう」 ほんの少ししか動かないほぼ凝固顔が、変に緩んでいるような……いや逆か、ことさらに固まっているような……。なんでそんな矛盾する意見が出てくるのか俺にも解らん。人間の認識能力なんかそんなもんじゃないか? と言って逃げておこう。 結局それきり言葉は続かず、俺は適当な別れの言葉を漏らすように言って、なぜか逃げるように長門から背を向けた。 なんだか解らないがそうしたほうがいいように思えたからだった。そして、会計をすませ店を出て自転車に乗って家まで戻り、晩飯喰って風呂入ってテレビを観ているうちに寝た。 八月三十一日深夜。 俺は机に向かって夏休みの課題の山と格闘していた。 ああ、そうさ。ハルヒに振り回されているうちにすっかり忘れていたのだ。 俺は眠い目をこすりつつひたすらシャープペンを走らせ続けていた。 ふと時計を見れば、まもなく日付が変わろうとしている。今夜は徹夜確実だ。 何かを呪いたい気分で毒づいていると、突然、携帯電話が鳴り始めた。 電話をするには非常識な時間であり、そんな常識を持っていないアホはハルヒくらいしか俺の周囲にはおらず、怒鳴りつけてやろうとして携帯電話のボタンを押した俺の耳に届いたのは、 『……ぅぅ(しくしくしく)……ぅぅぅぅ(しくしく)』 女の泣き声であった。素晴らしくもゾっとした。これはヤバイ。聞いてはいけないものがかかってきた。 いっておくけど、肝試しはとっく終わったぜ。延長戦はお断りだ。 携帯電話を放り投げようとした一秒前に、 『キョンくーん……』 嗚咽にまみれてはいたが、紛れもなく朝比奈さんの声がそう言った。 さっきと違う意味でゾクリときた。 「もしもし、朝比奈さん?」 『あたしです……あああ、とても良くないことが……ひくっ……うく……このままじゃ……あ…… ・ ・ ・ ・ ・ 現在日時、8月31日23時59分。 時間逆流開始予測時刻まで、あと50秒。 記憶リセット防止措置開始。 あと40秒。 措置完了。 あと20秒。 思考プロセスの混乱回避のため、思考機能を半スリープモードに移行。 あと10秒。 移行完了。 5、4、3、2、1……。 時間流停止、時間逆流開始を確認。
https://w.atwiki.jp/haruhi-2ch/pages/109.html
涼宮ハルヒの溜息Ⅲ(2009年放送版・時系列第22話) スタッフ 脚本:ジョー伊藤 絵コンテ:石原立也 演出:石原立也 作画監督:池田和美 原作収録巻 第2巻:長編『涼宮ハルヒの溜息』より第3章のP111から第4章のP165まで。計55ページ分をアニメ化。 DVD収録巻 涼宮ハルヒの憂鬱5.857142(新シリーズ第7巻) 紹介 今回は憂鬱からの時系列順では朝比奈みくるの同級生、鶴屋さんの2回目の登場回となる。旧作から考えると放送順9話の『サムデイ イン ザ レイン』以来の登場となる。2009年放送順 時系列では、この後のエピソードには準レギュラーとして、頻繁に登場するようになる。 作画監督は、16話のエンドレスエイトの作画監督を担当した池田和美。演出は同じく15話を担当した団長補佐(総監督)の石原立也。なお今回の脚本担当は『ミステリックサイン』の脚本も担当したジョー伊藤という人物だが正体はこの作品のプロデューサー伊藤敦Pである。 神主役の最上嗣生は、賢プロダクション所属の声優。 原作未読で『朝比奈ミクルの冒険 Episode00』を視聴した人にとって、今回は長門が何故みくるを襲ったのか?という疑問に対する答えが示される回である。 次回予告 TV版 なし 放送版とDVD版との違い 0 41 ステージ奥の茶色い四角いものの位置が変わっている。他、樹木・雑草などの生え方が大幅に修正 (※ SOS団名曲アルバムの背景画像では、なぜか修正前の同カットが使われている) 6 11 石段に階段追加 15 53 地面に影追加 17 12 18 11 みくるの黒タイツ復活 19 28 電話ボックスの脇にポスト追加 あと、樹木の色合いと石段に細かい修正あり パロディ・小ネタ 「ズームイン」→『ズームインスーパー(またはズームイン朝)』 土曜午後のバスの中・光陽園駅前で、バニー姿のミクルが黒タイツを穿いていない(生足)カットがある。DVDで修正済み。 谷口「詐欺だ!」キョン「ザキ食らって死ね」→『ドラゴンクエストシリーズ』の即死呪文「ザキ」。 一方、原作119Pにあった珍しいドラクエネタ「単独で出現したホイミスライムより~」はアニメ版ではカット。 SOS団のキャスト位置が前話よりさらに1マスずれている。特にハルヒとキョンの位置関係は大きくずれている。2人の関係がギクシャクし始めていることへの暗示か? キャスト・スタッフ(詳細) キャスト キャスト 1段目 涼宮ハルヒ:平野綾 キョン:杉田智和 朝比奈みくる:後藤邑子 古泉一樹:小野大輔 長門有希:茅原実里 2段目 鶴屋さん:松岡由貴 谷口:白石稔 国木田:松元恵 神主:最上嗣生 スタッフ 脚本:ジョー伊藤 絵コンテ:石原立也 演出:石原立也 作画監督:池田和美 動画検査:村山健治 美術設定:田村せいき 美術監督補佐:細川直生 色彩設計補佐:永安真由美 色指定検査:永安真由美 特殊効果:三浦理奈 制作マネージャー:横田圭佑 原画 牧田昌也 坂本一也 河浪栄作 引山佳代 柏木平 米田光良 牟田亮平 高橋真梨子 内海紘子 佐藤達也 野々上翠 山村卓也 動画 黒田久美 藤田奈緒子 根来清夏 渡辺雄一 西岡麻衣子 宇田淳一 Studio Blue 仕上げ 宮田佳奈 宇野静香 永安真由美 江田美穂子 宿谷葉子 胡恵美 Studio blue 背景 アニメ工房婆娑羅板倉佐賀子 松本吉勝 池玄珠 椿浩幸 撮影 中上竜太 田中淑子 山本倫 高尾一也 梅津哲郎 浜田奈津美 植田弘貴 友藤慎也 柴田裕司 冨板紀宏 船本孝平 (ポストプロダクションなどは省略) 放送日程 2009年 サンテレビ:2009年8月27日24時40分-25時10分 テレ玉:2009年8月27日25時00分-25時30分 新潟テレビ21:2009年8月27日25時45分-26時15分 東京MXテレビ:2009年8月28日26時30分-27時00分 tvk:2009年8月28日27時15分-27時45分 TVQ九州放送:2009年8月30日26時40分-27時10分 テレビ和歌山:2009年8月30日25時10分-25時40分 テレビ北海道:2009年8月31日25時00分-25時30分 KBS京都:2009年9月1日25時00分-25時30分 広島テレビ放送:2009年9月1日25時29分-25時59分 チバテレビ:2009年9月1日26時00分-26時30分 奈良テレビ:2009年9月1日26時00分-26時30分 仙台放送:2009年9月1日26時08分-26時38分 メ~テレ:2009年9月1日27時55分-28時25分 Youtube:2009年9月2日22時00分-2009年9月3日21時59分(24時間限定配信) RKK熊本放送:2010年3月21日25時50分-26時20分 DVDチャプター 使用サントラ 一覧 新アニメ 1期時系列 1期放映順 DVD 原作小説(巻) コミック収録巻 アニメサブタイトル #01 第01話 第ニ話 第01巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 I #02 第02話 第三話 第01巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 II #03 第03話 第五話 第02巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 III #04 第04話 第十話 第02巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 IV #05 第05話 第十三話 第03巻 憂鬱(1) 第02巻 涼宮ハルヒの憂鬱 V #06 第06話 第十四話 第03巻 憂鬱(1) 第02巻 涼宮ハルヒの憂鬱 VI #07 第07話 第四話 第04巻 退屈(3) 第03巻 涼宮ハルヒの退屈 #08 - - 新第01巻 退屈(3) 第03巻 笹の葉ラプソディ #09 第08話 第七話 第04巻 退屈(3) 第04巻 ミステリックサイン #10 第09話 第六話 第05巻 退屈(3) 第04巻 孤島症候群(前編) #11 第10話 第八話 第05巻 退屈(3) 第04巻 孤島症候群(後編) #12 - - 新第02巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #13 - - 新第02巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #14 - - 新第03巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #15 - - 新第03巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #16 - - 新第04巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #17 - - 新第04巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #18 - - 新第05巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #19 - - 新第05巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #20 - - 新第06巻 溜息(2) 第05巻 涼宮ハルヒの溜息 I #21 - - 新第06巻 溜息(2) 第05巻 涼宮ハルヒの溜息 II #22 - - 新第07巻 溜息(2) 第05-06巻 涼宮ハルヒの溜息 III #23 - - 新第07巻 溜息(2) 第06巻 涼宮ハルヒの溜息 IV #24 - - 新第08巻 溜息(2) 第06巻 涼宮ハルヒの溜息 V #25 第11話 第一話 第00巻 動揺(6) 未制作 朝比奈ミクルの冒険 Episode00 #26 第12話 第十二話 第06巻 動揺(6) 第06巻 ライブアライブ #27 第13話 第十一話 第06巻 暴走(5) 第07巻 射手座の日 #28 第14話 第九話 第07巻 オリジナル 未制作 サムデイ イン ザ レイン
https://w.atwiki.jp/haruhi-2ch/pages/108.html
涼宮ハルヒの溜息Ⅱ(2009年放送版・時系列第21話) スタッフ 脚本:村元克彦 絵コンテ:高雄統子 演出:高雄統子 作画監督:植野千世子 原作収録巻 第2巻:長編『涼宮ハルヒの溜息』より第2章のP56から第3章のP110まで。計55ページ分をアニメ化。 DVD収録巻 涼宮ハルヒの憂鬱5.714285(新シリーズ第6巻) 紹介 前回では姿のみの登場だった大森電気店店主、大森栄二郎が声付きで本格的に登場。旧作放送時から考えると、今回が放送順9話の『サムデイ イン ザ レイン』以来の声付きでの登場となる。2009年放送順 時系列では、この後にも再登場する。ちなみに大森栄二郎役の平松広和は『らき☆すた』で平野綾が演じる泉こなたの父親である泉そうじろうを演じている。『サムデイ イン ザ レイン』にはハルヒと大森店主の会話シーンは無かったため、今回らき☆すたファンはニヤリか? 作画監督は、15話のエンドレスエイトの作画監督を担当した植野千世子。演出は同じく15話を担当した高雄統子。なお今回の原画陣については、池田晶子、多田、米田、高橋など普段演出や作画監督を担当しているスタッフが6人も参加している。 通行人役の菊本平は、マウスプロモーション所属、母親役の中道美穂子はアイムエンタープライズ系列のクレイジーボックス所属、子供役の内田彩はJTBエンタテインメント所属で、京アニ作品では『空を見上げる少女の瞳に映る世界』で日高チカラを演じ、その関連ラジオもハルヒで谷口を担当している白石稔や相沢舞と共に担当していた。また、内田彩は、伊藤敦プロデューサーが担当する10月からのアニメで主役となっているためそのアフレコ練習などの布石か? 配役表を見た後のキョンのセリフ「これは、つまり…俺のせいか?」は実はとある部分の伏線回収なのだが、その伏線は『涼宮ハルヒの溜息 V』においてアニメ化された。原作ではプロローグにて文章化されている。時系列順では『涼宮ハルヒの憂鬱 VI』のエンディング後の話となる。 次回予告 TV版 なし 放送版とDVD版との違い パロディ・小ネタ 「カエアン製かと」→「服は人なり」という哲学を小説化した『カエアンの聖衣』(ウィキペディアのバリントン・J・ベイリーの項)より。 (古泉について)きもちわるい→『みなみけ』の保坂、もしくは小野大輔本人ネタ。 「石になる」→『バジリスク』 「殺意の波動」→『ストリートファイター』 「お前のアホは~」→『24時間テレビ』 「プラグスーツとか」→『新世紀エヴァンゲリオン』 光陽園駅→甲陽園駅 SOS団のキャスト位置がずれている。現時点でのハルヒとの心情面での距離を現したものか? キャスト・スタッフ(詳細) キャスト キャスト 1段目 涼宮ハルヒ:平野綾 キョン:杉田智和 朝比奈みくる:後藤邑子 古泉一樹:小野大輔 長門有希:茅原実里 2段目 谷口:白石稔 国木田:松元恵 大森栄二郎:平松広和 通行人:菊本平 母親:中道美穂子 子供:内田彩 スタッフ 脚本:村元克彦 絵コンテ:高雄統子 演出:高雄統子 作画監督:植野千世子 動画検査:村山健治 美術設定:田村せいき 美術監督補佐:細川直生 色彩設計補佐:永安真由美 色指定検査:竹田明代 特殊効果:三浦理奈 制作マネージャー:前田邦貴 原画 池田晶子 浦田芳憲 多田夏美 中川裕佳子 小川太一 米田光良 多田文雄 植野千世子 牟田亮平 高橋真梨子 内海紘子 野々上翠 山村卓也 動画 川崎洋平 臼木美奈子 青木愛佳 松村元気 谷上麻衣子 大橋由巳 檜垣彰子 Studio Blue 仕上げ 豊澤綾 石原裕介 土居翔子 嶋智子 一ノ瀬益美 小浦千代美 Studio blue 背景 篠原睦雄 鵜ノ口穣二 平床美幸 田峰育子 大石望未 笠井信吾 平石朋基 奥出修平 竹内友紀子 渡邊美希子 撮影 中上竜太 田中淑子 植田弘貴 梅津哲郎 浜田奈津美 友藤慎也 柴田裕司 冨板紀宏 船本孝平 (ポストプロダクションなどは省略) 放送日程 2009年 サンテレビ:2009年8月20日24時55分-25時25分(野球中継のため15分押し) テレ玉:2009年8月20日25時00分-25時30分 新潟テレビ21:2009年8月20日25時45分-26時15分 東京MXテレビ:2009年8月21日26時30分-27時00分 tvk:2009年8月21日27時15分-27時45分 TVQ九州放送:2009年8月22日26時40分-27時10分 テレビ和歌山:2009年8月23日25時10分-25時40分 テレビ北海道:2009年8月24日25時30分-26時00分(30分押し) KBS京都:2009年8月25日25時00分-25時30分 広島テレビ放送:2009年8月25日25時29分-25時59分 チバテレビ:2009年8月25日26時00分-26時30分 奈良テレビ:2009年8月25日26時00分-26時30分 仙台放送:2009年8月25日26時08分-26時38分 メ~テレ:2009年8月25日27時55分-28時25分 Youtube:2009年8月26日22時00分-2009年8月27日21時59分(24時間限定配信) RKK熊本放送:2010年3月14日25時50分-26時20分 DVDチャプター 使用サントラ 一覧 新アニメ 1期時系列 1期放映順 DVD 原作小説(巻) コミック収録巻 アニメサブタイトル #01 第01話 第ニ話 第01巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 I #02 第02話 第三話 第01巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 II #03 第03話 第五話 第02巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 III #04 第04話 第十話 第02巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 IV #05 第05話 第十三話 第03巻 憂鬱(1) 第02巻 涼宮ハルヒの憂鬱 V #06 第06話 第十四話 第03巻 憂鬱(1) 第02巻 涼宮ハルヒの憂鬱 VI #07 第07話 第四話 第04巻 退屈(3) 第03巻 涼宮ハルヒの退屈 #08 - - 新第04巻 退屈(3) 第03巻 笹の葉ラプソディ #09 第08話 第七話 第04巻 退屈(3) 第04巻 ミステリックサイン #10 第09話 第六話 第05巻 退屈(3) 第04巻 孤島症候群(前編) #11 第10話 第八話 第05巻 退屈(3) 第04巻 孤島症候群(後編) #12 - - 新第02巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #13 - - 新第02巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #14 - - 新第03巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #15 - - 新第03巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #16 - - 新第04巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #17 - - 新第04巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #18 - - 新第05巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #19 - - 新第05巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #20 - - 新第06巻 溜息(2) 第05巻 涼宮ハルヒの溜息 I #21 - - 新第06巻 溜息(2) 第05巻 涼宮ハルヒの溜息 II #22 - - 新第07巻 溜息(2) 第05-06巻 涼宮ハルヒの溜息 III #23 - - 新第07巻 溜息(2) 第06巻 涼宮ハルヒの溜息 IV #24 - - 新第08巻 溜息(2) 第06巻 涼宮ハルヒの溜息 V #25 第11話 第一話 第00巻 動揺(6) 未制作 朝比奈ミクルの冒険 Episode00 #26 第12話 第十二話 第06巻 動揺(6) 第06巻 ライブアライブ #27 第13話 第十一話 第06巻 暴走(5) 第07巻 射手座の日 #28 第14話 第九話 第07巻 オリジナル 未制作 サムデイ イン ザ レイン
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3367.html
プロローグ 連日連夜、遊び倒しているにもかかわらず、ハルヒはまだまだエンジン全開。 というわけで、今日は不思議探索である。 喫茶店の奢りが俺なのは、いつものとおりだ。まったく、忌々しい。 「今日は、最初のペアで一日中探索するわよ」 ハルヒは、団長権限により一方的にそう宣言した。 今日のくじ引きは、ちょっと真剣にならざるをえないな。 いつもより念をこめて引いたくじの結果は──── A(10001回目)-1 キョン、ハルヒ 俺、ハルヒ。 古泉、長門、朝比奈さん。 やれやれ。よりによって、ハルヒかよ。今日も疲れることになりそうだ。 「いくわよ、キョン!」 ハルヒが俺の右手首をつかんで引っ張っていく。まったく、おまえのそのエネルギーはいったいどこから供給されてるんだ? ハルヒはいきなり映画が見たいとかいいだした。タダ券が二つ余ってるらしい。映画館のどこに不思議があるんだと突っ込みたいところだが、歩き回るよりは座っていた方が楽だ。俺は素直に従うことにした。 上映されていたのは、ベタな恋愛映画だった。ハルヒは、精神病の研究でもするつもりなのかね? 映画を見終わったあと、ちょっと早いが、ファミレスで昼食をとった。この昼食代もなぜか俺の奢りということになった。 ハルヒは、遠慮会釈なく注文しまくった料理を平らげながら、さっき見た映画に文句をつけている。文句つけるぐらいなら見るなよ。 午後は、デパートでウィンドウショッピングとなった。 まるで、デートコースだな……って、俺はいったい何を考えてるんだ? 相手はハルヒだぞ。天変地異が起ころうともそれだけはありえん。 ハルヒは、洋服売り場で次々と服を試着しちゃ、俺に感想を訊いてくる。俺は、そのたびに適当に「ああ、似合ってるぞ」と答えてやった。 「ちょっとキョン! あんた、まじめに見てんの!?」 「おまえはもともと土台はいいんだ。なに着たって似合うさ」 「なっ、ななな、何言ってるのよ!」 ハルヒは顔を紅潮させてそっぽを向いた。俺、なんか変なこと言ったか? 「とにかく、これを買うからお金を出しなさい!」 「あいにく、俺の財布には、銅製とアルミ製の硬貨しか残ってねぇよ」 これは事実だった。明日には、銀行で貯金をおろさんとな。 「まったく、しょうがないわね」 結局、ハルヒは自分の金で服を買った。その服は、俺が持つハメになったがな。荷物持ちは雑用係の仕事さ。 ああ、店員のみなさん。彼女の尻にしかれるあわれな彼氏を見るような視線で見ないでください。俺たちは、唯我独尊団長様とその哀れな下僕にすぎないんですから。 B(10002回目)-1 キョン、長門 俺、長門。 古泉、ハルヒ、朝比奈さん。 今日は、心安らかに過ごせそうだ。神に感謝。 古泉に言わせれば、ハルヒが神だそうだがな。まあ、ハルヒがこんな慈悲深いわけもないから、本物の神はいずこかにおられるのだろう。 「デートじゃないんだからね! まじめにやんなさいよ!」 ハルヒの叫び声を無視して、俺は尋ねた。 「どこに行く?」 「図書館」 予想通りの答えだ。 俺たちは、午前中を図書館で過ごした。 俺はほとんど寝てたけどな。これで少しは連日の疲労が回復できた。 昼食は近くのファーストフード店ですませた。 大量のハンバーガーを湯水のごとく消化する長門を眺めながら、俺は一個のハンバーガーを大事に食べた。 支払いが終わったとき、俺の財布には銅製とアルミ製の硬貨しか残ってなかった。まあ、いいさ。長門にはいつも世話になってるからな。昼メシを奢るぐらいはどうってことない。 午後も図書館かと思っていたのだが。 「生活消耗品の補充を行ないたい。許可を」 俺としても異存はない。 宇宙人とはいえ、地球で生活する以上は、消耗するものはあるさ。 「ああ、いいぞ」 二人で、デパートの食品売り場に直行した。 そして、長門がカートのかごにレトルトカレー缶を山積みにしていく光景に、俺はただ唖然とするしかなかった。 C(10003回目)-1 キョン、朝比奈 俺、朝比奈さん。 古泉、ハルヒ、長門。 俺は思わず歓喜の声を上げたくなった。神に感謝だ。 古泉に言わせれば、ハルヒが神だそうだがな。まあ、ハルヒがこんな慈悲深いわけもないから、本物の女神様は朝比奈さんに違いない。 「デートじゃないんだからね! まじめにやんなさいよ!」 ハルヒの叫び声を無視して、俺は朝比奈さんをエスコートした。 午前中は、街を散策した。 懐かしい川沿いの桜並木も歩いた。 二人の間で交わされる会話はたわいもないものだった。俺の話題の貧弱さが恨めしい。古泉あたりなら、豊富な話題で相手を退屈させることもないんだろうが。 それでも、朝比奈さんは微笑んでくれたから、よしとしよう。 ファミレスで遅めの昼食をとったあと、朝比奈さんの希望で、デパートの茶葉売り場に向かうことになった。 ああ、まるでデートのようだ。 いや、これはデートなのだ。ハルヒがなんと言おうとも。 朝比奈さんが真剣に茶葉を選んでいる傍らで、俺は手持ち無沙汰にしていた。 まるで、彼女にないがしろにされている彼氏の気分だ。って、何を考えてるだろうな、俺は。 俺の浮かれていた気分も幾分か落ち着いてきた。 朝比奈さんにとっちゃ、俺と二人で行動するのも、ハルヒに命じられた不思議探索だからにすぎないんだよな。 D(10004回目)-1 キョン、古泉 俺、古泉。 ハルヒ、長門、朝比奈さん。 最悪だ。 何が悲しくて、夏の街を男と二人で歩き回らなきゃならんのだ。 「まあまあ、そういわずに。たまには友人同士での散策もよろしいのではありませんか」 ちっとも、よろしくない。 とはいえ、くじ引きの結果が覆るわけもなく、俺と古泉は、街をぶらぶらと歩くハメになった。 「最近、調子はいかがですか?」 「連日連夜の活動で疲労がたまってるぜ」 「それは大変結構なことですね。閉鎖空間での活動で疲れるよりもよっぽどマシです」 「最近、例の灰色空間は出てるのか?」 「いいえ。涼宮さんの機嫌も大変いいようでして、最近はまったく出ていません。この調子で夏休みが終わってくれればベストですね」 「この調子が続いたら、俺は過労死するぜ」 結構歩き回ってしまい、昼食はやや遅くなった。 古泉の奢りで、ファミレスですませる。奢られるのは実に何年ぶりのことだろうな。 「お金にお困りなら、いいバイトを紹介しますよ」 遠慮させてもらうぜ。怪しげな研究所で、パートタイム超能力者にでも改造されそうだからな。 午後は、デパートに向かった。 一人暮らしの古泉は、いろいろと生活消耗品を買う必要があるという話だった。 親に養ってもらっている身ではいまいちピンとこないけどな。 古泉は、トイレットペーパーやらティシュ箱やらを次々とカートのかごに放り込んでいた。 E(10005回目)-1 キョン、ハルヒ、長門 俺、ハルヒ、長門。 古泉、朝比奈さん。 おのれ、古泉。朝比奈さんと二人きりか。朝比奈さんに手出ししたら許さんからな。 「さぁ、キョン、行くわよ!」 「どこにだ?」 俺の突っ込みには、ハルヒではなく長門が答えた。 「図書館」 おいおい、長門。行きたいのは分かるが、ハルヒが了解してくれるとは思えんぞ。 「ちょっと、有希。図書館に何か不思議なことでもあるの?」 「ある。夜になると本棚の図書が次々と宙に浮かぶという現象が発生していると聞いた」 おまえがいうと冗談に聞こえん。 午前中、長門は黙々と本を読み、ハルヒは図書館中を走り回っていた。図書館で走るな。 「長門。さっきの話は本当か?」 「嘘。ただし、望むなら真実にすることもやぶさかではない」 「やめとけ」 結局何も見つからず、早々に図書館を後にすることになった。 昼食は近くのファーストフード店ですませた。 大量のハンバーガーを湯水のごとく消化する長門とハルヒを眺めながら、俺は一個のハンバーガーを大事に食べた。 支払いが終わったとき、俺は財布の中身を確認する気にもなれなかった。大食漢二人分のダメージは絶大だ。 午後、俺たちは、デパートの洋服売り場にいた。 ハルヒが長門に洋服を買ってやりたいと言い出したからだ。 ハルヒにしては、いい提案だ。長門もいつも制服では味気ないからな。 ハルヒにされるがままに、長門は試着を繰り返していた。 F(10006回目)-1 キョン、ハルヒ、朝比奈 俺、ハルヒ、朝比奈さん。 古泉、長門。 なんつーか、微妙なところだな。両手に花とでも浮かれるべきなんだろうが、片方がトゲつきのバラじゃあね。 「さぁ、みくるちゃん。新しいコスプレを買いに行くわよ!」 ハルヒは朝比奈さんの腕をつかむとずんずんと歩き出した。 「はわわっ」 当然、俺の意見など聴取されるはずもない。 ハルヒは、朝比奈さんにとっかえひっかけ、コスプレ衣装を試着させた。 朝比奈さんには悪いが、眼福だね。 「ちょっと、キョン! 鼻の下伸ばしてるんじゃないわよ!」 昼になったころには、俺はコスプレ衣装が詰まった袋を大量に持たされていた。まあ、いいさ。これが俺の放課後に潤いをもたらしてくれるんだからな。 早めの昼食はファミレスとなった。 大量の料理を平らげるハルヒと、慎ましやかに食を進める朝比奈さん。対称的とはこのことをいうんだろうな。ハルヒよ、俺に奢らせてるんだから、少しは朝比奈さんを見習え。 支払いが終わったとき、俺の財布には銅製とアルミ製の硬貨しか残ってなかった。 午後は朝比奈さんたっての希望で、デパートの茶葉売り場に向かうこととなった。 真剣な表情で茶葉を選ぶ朝比奈さんの後方で、俺とハルヒは、手持ち無沙汰に立っていた。 G(10007回目)-1 キョン、長門、朝比奈 俺、長門、朝比奈さん。 古泉、ハルヒ。 まさに両手に花というやつだな。今日は、吉日だ。 「キョン! 鼻の下伸ばしてんじゃないわよ!」 ハルヒの叫び声は無視。 「まずは、どこに行きましょうかね?」 「図書館」 「じゃあ、午前中は図書館な。朝比奈さん、午後のご希望はありますか?」 「お茶っ葉を買いたいので、デパートに」 「分かりました」 午前中は、図書館で静かな時間をすごした。 俺はほとんど寝てたけどな。これで少しは連日の疲労が回復できた。 遅めの昼食はファミレスでとった。 大量の料理を平らげる長門と、慎ましやかに食を進める朝比奈さん。対称的とはこのことをいうんだろうな。 支払いが終わったとき、俺の財布には銅製とアルミ製の硬貨しか残ってなかった。朝比奈さんはともかく、長門の分が大ダメージだ。まあ、いいさ。二人には日頃から世話になってるからな。 午後は、朝比奈さんの希望通り、デパートの茶葉売り場だ。 「この茶葉は、カテキンの量が多く……」 長門が茶の成分を延々と解説し、朝比奈さんは真剣にうなずきながら茶葉を選んでいた。 やがて、ようやく納得できる一品を買った朝比奈みくるは満足そうに微笑んでいた。 「これから、生活消耗品の補充を行ないたい。許可を」 俺としても異存はない。宇宙人とはいえ、地球で生活する以上は、消耗するものはあるさ。 長門は、食品売り場に直行した。そして、カートのかごに次々とレトルトカレー缶を積み上げていった。 俺と朝比奈さんは、その光景にただ唖然としていた。 H(10008回目)-1 キョン、古泉、ハルヒ 俺、古泉、ハルヒ。 長門、朝比奈さん。 なんか、俺だけが疲れそうな組み合わせだな。 朝比奈さんは、長門と二人だけで大丈夫だろうか。 午前は、ハルヒが俺と古泉を豪快につれまわしてくれた。 まったく、おまえのそのエネルギーはいったいどこから供給されてるんだ? 遅めの昼食はファミレスだった。 へとへとに疲れている俺をさしおいて、ハルヒは大量の料理を平らげていた。 まあ、古泉の奢りだからいいけどな。 午後は、デパートでショッピングだ。 ハルヒが買い込んだ物を持たされるのは、もちろん、俺と古泉だ。 女王様に付き従う二人の下僕といったところか。 まったく、やれやれだ。 I(10009回目)-1 キョン、古泉、長門 俺、古泉、長門。 ハルヒ、朝比奈さん。 ハルヒと二人きりの朝比奈さんが心配だ。 と思う間もあらばこそ。ハルヒは、朝比奈さんを連れてあっという間に見えなくなった。 「さて、どこに行きましょうか?」 ニヤケ野郎の問いに、長門が即答した。 「図書館」 俺たちは、午前中を図書館で過ごした。 俺はほとんど寝てたけどな。これで少しは連日の疲労が回復できた。 昼食は近くのファーストフード店ですませた。 大量のハンバーガーを湯水のごとく消化する長門と、小食な古泉。対称的とはこのことをいうんだろうな。 支払いは、古泉にさせた。俺の財布の中身はピンチなんでな。 午後も図書館かと思っていたのだが。 「生活消耗品の補充を行ないたい。許可を」 俺としても異存はない。 宇宙人とはいえ、地球で生活する以上は、消耗するものはあるさ。 「ああ、いいぞ」 二人で、デパートの食品売り場に直行した。 そして、長門がカートのかごにレトルトカレー缶を山積みにしていく光景に、俺と古泉はただ唖然とするしかなかった。 J(10010回目)-1 キョン、古泉、朝比奈 俺、古泉、朝比奈さん。 ハルヒ、長門。 古泉と朝比奈さんが並んで歩いてると、同じく並んで歩いてるはずの俺がハブられてるような気がするのは、やっかみだろうかね。 「さて、どこに行きましょうか?」 「みなさんのお好きなところでいいですよぉ」 「あなたはどうですか?」 「特に意見はねぇな」 朝比奈さんと一緒なら、たとえ火の中水の中でもいいぜ。まあ、朝比奈さんをそんな危ないところに連れてく気はないけどな。 「なら、適当に散策いたしますか?」 古泉が適当な話題をふり、俺と朝比奈さんが適当に相槌を打っているうちに、結構な時間がすぎていた。 昼食は、ファミレスでとった。 小食三人組なので、出された料理をすぐに食べ終わった。 朝比奈さんの分だけ俺が奢り、残り二人分は古泉に奢らせた。 午後は朝比奈さんの希望で、デパートの茶葉売り場に向かうこととなった。 真剣な表情で茶葉を選ぶ朝比奈さんの後方で、俺と古泉は、手持ち無沙汰に立っていた。 A-2 古泉、長門、朝比奈 「涼宮さん。嬉しそうでしたね」 「そうですね。彼は、嫌そうな顔を作ってましたが。まったく素直でない方です」 「そうですよねぇ」 「…………」 「さて、お二人は、どこに行かれたいですか?」 古泉一樹が訊ねる。 「図書館」 長門有希は即答だった。 「朝比奈さんは?」 「長門さんと同じでいいですよぉ」 「せっかく一日中このペアでいくのですから、午前中は長門さんの、午後は朝比奈さんの希望をかなえるということでいかがですか?」 「そうですかぁ。じゃあ、お茶っ葉を買いたいので、デパートに」 「分かりました。では、さっそく、参りましょう」 午前中、三人は、図書館で静かな時間をすごした。 連日連夜の活動で疲れていた三人には、ちょうどいい休息となった。 ファミレスでやや遅めの昼食をとった三人は、午後からデパートに向かった。 「この茶葉は、カテキンの量が多く……」 長門有希が茶の成分を延々と解説し、朝比奈みくるは真剣にうなずきながら茶葉を選んでいた。 やがて、ようやく納得できる一品を買った朝比奈みくるは満足そうに微笑んでいた。 「次はどこに行きましょうか?」 「生活消耗品の補充を行ないたい」 「いいですよ」 長門有希は、食品売り場に直行した。二人もあとに続く。 長門有希は、カートのかごに次々とレトルトカレー缶を積み上げていった。 二人は、その光景を唖然としながら眺めていた。 B-2 古泉、ハルヒ、朝比奈 「デートじゃないんだからね! まじめにやんなさいよ!」 キョンに向かって叫んでいる涼宮ハルヒに、古泉一樹が尋ねた。 「どこに行きましょうか?」 「みくるちゃんの新しいコスプレを買いに行くわよ!」 涼宮ハルヒは朝比奈みくるの腕をつかむとずんずんと歩き出した。 「はわわっ」 「どう、古泉君?」 涼宮ハルヒが、朝比奈みくるに婦警のコスプレを試着させた。 朝比奈みくるが、恥ずかしそうに縮こまっている。 「大変、お似合いかと」 古泉一樹は、いつものように追従しか述べない。 涼宮ハルヒは、午前中いっぱい、朝比奈みくるに様々なコスプレを試着させ続けた。 昼になったころには、古泉一樹はコスプレ衣装が詰まった袋を大量に持たされていた。 昼食は、ファミレスでとることとなった。 大量の料理を平らげながらキョンの悪口をいう涼宮ハルヒに対して、二人は苦笑するしかなかった。 午後は、朝比奈みくるの希望で、デパートの茶葉売り場に繰り出すこととなった。 茶葉を真剣に吟味している朝比奈みくるの後ろで、二人は手持ち無沙汰にしていた。 「有希たちは、今ごろどうしてるかしら」 「そんなに彼のことが気になりますか?」 「なっ、何言ってるのよ、古泉くん! 私は、ただ、有希がキョンからいやらしいことでもされてないか、心配してるだけよ!」 「そういうことにしておきましょうか」 C-2 古泉、ハルヒ、長門「デートじゃないんだからね! まじめにやんなさいよ!」 キョンに向かって叫んでいる涼宮ハルヒに、古泉一樹が尋ねた。 「どこに行きましょうか?」 古泉一樹の質問に即答したのは、涼宮ハルヒではなく、長門有希だった。 「図書館」 「ちょっと、有希。図書館に何か不思議なことでもあるの?」 「ある。夜になると本棚の図書が次々と宙に浮かぶという現象が発生していると聞いた」 「ポルターガイスト現象ですか」 午前中、長門有希は黙々と本を読み、涼宮ハルヒは図書館中を走り回っていた。 「長門さん。さきほどのお話は本当ですか?」 古泉一樹の問いに、長門有希は平然と答えた。 「嘘。ただし、望むなら真実にすることもやぶさかではない」 「いいえ、結構です」 結局何も見つからず、早々に図書館を後にすることになった。 早めの昼食は、ファミレスだった。 大量の料理を平らげながらキョンの悪口をいう涼宮ハルヒに対して、古泉一樹は苦笑するしかなかった。長門有希は、涼宮ハルヒの声など聞こえないかのように、淡々と料理を平らげている。 「午後はどこに行きましょうか?」 「そうね。デパートで、有希に服を買ってあげましょ。いつも制服じゃつまんないわ」 「それは、よいアイデアかと」 午後、デパートの洋服売り場。 涼宮ハルヒにされるがままに、長門有希は試着を繰り返していた。 「どう、古泉くん?」 「大変、お似合いです」 D-2 ハルヒ、長門、朝比奈 「どこに行くんですかぁ」 朝比奈みくるの問いに答えたのは、涼宮ハルヒではなく、長門有希だった。 「図書館」 「ちょっと、有希。図書館に何か不思議なことでもあるの?」 「ある。夜になると本棚の図書が次々と宙に浮かぶという現象が発生していると聞いた」 「ひぇぇ。怖いですぅ」 午前中、長門有希は黙々と本を読み、涼宮ハルヒは図書館中を走り回っていた。 「長門さん。さっきのお話は本当ですかぁ?」 朝比奈みくるの問いに、長門有希は平然と答えた。 「嘘。ただし、望むなら真実にすることもやぶさかではない」 「いいえ、結構ですぅ」 結局何も見つからず、早々に図書館を後にすることになった。 早めの昼食は、ファミレスだった。 大量の料理を平らげながらキョンの悪口をいう涼宮ハルヒに対して、朝比奈みくるは苦笑した。 「涼宮さんは、キョンくんのことばかり気にしてるんですね」 「ちょっ、みくるちゃん! なっ、何言ってるのよ! そんなわけないじゃない!」 長門有希は、涼宮ハルヒの声など聞こえないかのように、淡々と料理を平らげている。 「ところで、午後はどこに行くんですか?」 「そうね。デパートで、有希に服を買ってあげましょ。いつも制服じゃつまんないわ」 午後、デパートの洋服売り場。 涼宮ハルヒと朝比奈みくるにされるがままに、長門有希は試着を繰り返していた。 「有希、かわいいわよ!」 「長門さん、かわいいですぅ」 試着が終わるたびに、二人が歓声をあげる。 E-2 古泉、朝比奈「さて、どこに行きましょうか?」 「古泉くんの好きなところでいいですよ」 「そうですか。では、午前中はこの辺を散策でもいたしますか。午後は朝比奈さんのお好きなところへ」 美男美女が二人並んで歩いている光景は、実に絵になるものであったが、二人の間に会話は少なかった。 「どうにも二人きりだと警戒されてしまうようですね」 「ごめんなさい。どうしても……ね……」 「まあ、あなたの場合は『機関』に知られてはならないようなことも多々あるのでしょうから、致し方ありませんが」 昼食はファミレスでとった。 ここでも、二人の間に会話は少ない。 午後は、朝比奈みくるの希望で、デパートの茶葉売り場に向かった。 真剣な表情で茶葉を選ぶ朝比奈みくるの後方で、古泉一樹は手持ち無沙汰に立っていた。 F-2 古泉、長門 「さて、どこに行きましょうか?」 「図書館」 午前中、二人は、図書館で静かな時間をすごした。 連日連夜の活動で疲れていた二人には、ちょうどいい休息となった。 遅めの昼食は、ファミレスでとった。 大量の食料を胃に納める長門有希と、小食な古泉一樹。対称的な光景だった。 午後も図書館かと思われたのだが。 「生活消耗品の補充を行ないたい」 長門有希の提案に、古泉一樹も依存はなかった。彼も、生活消耗品を買い足したいと思っていたところだったのだ。 長門有希は、デパートの食品売り場に直行した。 そして、長門有希がカートのかごにレトルトカレー缶を山積みにしていく光景に、古泉一樹はただ唖然としていた。 G-2 古泉、ハルヒ 古泉一樹と涼宮ハルヒは、映画館にいた。 上映している映画は、ベタな恋愛物だ。 涼宮ハルヒは、つまらなさそうにスクリーンを見つめていた。 映画を見終わり、早めの昼食はファミレスとなった。 いつも元気にしゃべる涼宮ハルヒが、今日はおとなしかった。 古泉一樹が怪訝そうな表情で尋ねる。 「さきほどの映画なんですが、もしかしたら彼を誘うつもりだったのですか?」 「……そうね。まあ、キョンと一緒にあんな映画見たって、どうなるってわけでもないだろうけど」 「……」 古泉一樹としては、リアクションに困る状況だった。 午後。 二人は、なんとはなしに、デパートに向かった。 古泉一樹は、涼宮ハルヒを元気付けるために何かプレゼントでも買うべきだろうかと思った。しかし、それは自分の役目ではないと思い直してやめた。 二人は、デパートの中をただぶらぶらと歩き続けた。 H-2 長門、朝比奈「あのう……どこに行きましょうか?」 「図書館。午後は、あなたの希望するところでよい」 「あっ、はい」 午前中、二人は、図書館で静かな時間をすごした。 連日連夜の活動で疲れていた二人には、ちょうどいい休息となった。 早めの昼食は、ファミレスでとった。 大量の食料を胃に納める長門有希と、小食な朝比奈みくる。対称的な光景だった。 午後は、デパートの茶葉売り場。 「この茶葉は、カテキンの量が多く……」 長門有希が茶の成分を延々と解説し、朝比奈みくるは真剣にうなずきながら茶葉を選んでいた。 やがて、ようやく納得できる一品を買った朝比奈みくるは満足そうに微笑んでいた。 「次はどこに行きましょうか?」 「生活消耗品の補充を行ないたい」 「いいですよ」 長門有希は、食品売り場に直行した。朝比奈みくるもあとに続く。 長門有希は、カートのかごに次々とレトルトカレー缶を積み上げていった。 朝比奈みくるは、その光景を唖然としながら眺めていた。 I-2 ハルヒ、朝比奈 朝比奈みくると涼宮ハルヒは、映画館の前にいた。 「映画ですかぁ?」 「そうよ。タダ券二つ余ってるから」 涼宮ハルヒは、朝比奈みくるの腕をつかんでずんずんと中に入っていった。 上映している映画は、ベタな恋愛物だ。 涼宮ハルヒは、つまらなさそうにスクリーンを見つめていた。 映画を見終わり、昼食はファミレスとなった。 いつも元気にしゃべる涼宮ハルヒが、今日はおとなしかった。 朝比奈みくるが怪訝そうな表情で尋ねる。 「あのう、さきほどの映画なんですけど。もしかしたらキョンくんを誘うつもりだったんですか?」 「……そうね。まあ、キョンと一緒にあんな映画見たって、どうなるってわけでもないだろうけど」 「素直に誘えばよかったんじゃないですか? キョンくんだって断ったりはしなかったと思います」 「……」 朝比奈みくるの問いに、涼宮ハルヒは答えなかった。 午後。 二人は、なんとはなしに、デパートに向かった。 いつもと違って静かな涼宮ハルヒに、朝比奈みくるは話しかけづらそうだった。 二人は、デパートの中をただぶらぶらと歩き続けた。 J-2 ハルヒ、長門「どこ行こっか?」 涼宮ハルヒの問いに、長門有希は即答した。 「図書館」 「ちょっと、有希。図書館に何か不思議なことでもあるの?」 「ある。夜になると本棚の図書が次々と宙に浮かぶという現象が発生していると聞いた」 午前中、長門有希は黙々と本を読み、涼宮ハルヒは図書館中を走り回っていた。 やがて、何も見つけられなかった涼宮ハルヒが帰ってきた。 「有希。何も起きないじゃない」 不機嫌な涼宮ハルヒに対して、長門有希は平然と答えた。 「現象が発生するのは、夜。現在時間は、昼」 「夜まで待ってらんないわ。ちょっと早いけど、昼御飯にするわよ」 結局何も見つからず、早々に図書館を後にすることになった。 昼食は近くのファーストフード店ですませた。 ハンバーガーにかじりつきながら、涼宮ハルヒはキョンの悪口を垂れ流し続けていた。 「彼のことが気になる?」 「あたしは別にキョンのことなんか……」 「そう。私は、彼のことが気になる」 「ちょっと、有希。それどういう意味よ」 「文字通りの意味」 午後、二人はデパートの洋服売り場にいた。 涼宮ハルヒが、長門有希のさきほどの言葉をどう解釈したのか分からないが、 「気になるキョンにアピールするためにも、制服だけじゃ駄目よ」とのたまわれたからであった。 涼宮ハルヒにされるがままに、長門有希は試着を繰り返していた。 A-3 俺は、ハルヒと並んで歩いていた。 このまま行くと食品売り場につくな。夕食の食材でも買うのか? 「ねぇ、キョン」 ハルヒが、小さな声で俺を呼んだ。 「なんだ?」 「あのさ。あんた、今日はあたしと一緒でたのし……」 「あっ、涼宮さん」 突如として聞こえてきた声に顔を上げると、そこには、朝比奈さんたちがいた。 「これはこれは。奇遇ですね」 古泉がいうとちっとも奇遇には思えなくなってくるのは、なぜだろうね。 「みくるちゃんたちもこっちに来てたの?」 「ええ。お茶っ葉を買いに」 ところで、長門。そのカートのかごにうず高く積まれている缶詰はいったいなんだ? B-3 大量のカレー缶は、代金支払いのあと、長門の宇宙人パワーによって、長門のマンションまでワープしていった。もちろん、周囲の一般人たちにはバレないようにだ。 さすがに、これだけ大量のカレー缶を背負って歩いてたら、それだけで不審人物だからな。 さて、これからどうしようかと思ったところでふと思いついた。 「長門。たまには服でも見てみないか。あいにく、俺には買ってやる金は残ってないけどな」 我ながら情けない言い方になってしまったが、いつも制服じゃ長門も味気なかろう。 「了解した」 二人で歩き出したところで、長門がすぐに立ち止まった。 その視線の先に、顔を向けると、 「あっ、有希じゃない」 そこには、ハルヒたちがいた。 なんだ。おまえらもここに来てたのか。 「これはこれは。奇遇ですね」 古泉がいうとちっとも奇遇には思えなくなってくるのは、なぜだろうね。 「キョンくんたちも、こちらに来てたんですね」 ええ。朝比奈さんに早く再会したいと思う俺の気持ちが天に通じたのでしょう。 「ちょっと、キョン。ちゃんと、不思議を見つけて来たんでしょうね!?」 ああ、見つかったさ。宇宙人の力によってワープしていく大量のカレー缶。これ以上の不思議はそうそうないぞ。 まあ、これをハルヒに話すわけにはいかないけどな。 C-3 朝比奈さんは、吟味に吟味を重ねて選び抜いた茶葉を買って、ご満悦の表情だった。 そのあと、なんとはなしに食品売り場をぶらつく。 そこで、俺たちはばったりと会った。そう、ハルヒたちにだ。 「あっ、みくるちゃん」 ああ、朝比奈さんとの楽しいデートもこれで終わりか。 ハルヒよ。おまえは、神は神でも、厄病神かなんかだろ? 「涼宮さんも、こちらに来てたんですか」 「有希に服を買ってあげたのよ!」 その服を詰めた袋は、古泉の両手にぶら下がっている。ご苦労なことだ。 「これはこれは。奇遇ですね」 古泉がいうとちっとも奇遇には思えなくなってくるのは、なぜだろうね。 ところで長門。そのカートのかごにうず高く積まれている缶詰はいったいなんだ? D-3 食品売り場に向かったところで、俺たちは、ハルヒたちとばったり会った。 「これはこれは。奇遇ですね」 古泉がいうとちっとも奇遇には思えなくなってくるのは、なぜだろうね。 「なんだ。古泉くんたちもこっちに来てたんだ」 「ええ。ちょっと、消耗品を買いたそうかと」 「おまえらは、何してたんだ?」 「有希に服を買ってあげたのよ!」 ほう。確かに、いつも制服じゃ味気ないしな。ハルヒにしては、いい事をしたといえるだろう。 その場にいれば、俺が金を出してやったんだが。長門にはいつも世話になってるしな。 ところで長門。そのカートのかごにうず高く積まれている缶詰はいったいなんだ? E-3 長門の服代は俺が出してやりたいところだったが、情けないことに俺の財布には銅製とアルミ製の硬貨しか残ってなかった。 結局、服代はハルヒが出した。俺以外の団員には優しいな、ハルヒよ。 服が詰まった袋は、俺が持っている。まあ、これぐらいはかまわんさ。長門には世話になってるしな。 三人で歩き回っているうちに、なんとなく食品売り場にたどり着いた。 そこで、朝比奈さんたちに遭遇した。 「あっ、みくるちゃんじゃない」 「これはこれは。奇遇ですね」 古泉がいうとちっとも奇遇には思えなくなってくるのは、なぜだろうね。 「涼宮さんたちも、こちらに来てたんですね」 ええ。朝比奈さんに早く再会したいと思う俺の気持ちが天に通じたのでしょう。 「涼宮さんたちは、ここで何をしてたんですかぁ?」 「有希に服を買ってあげたのよ!」 「長門さんにですかぁ。見てみたいですぅ」 「私がばっちりコーディネートしてあげたからね! 有希、今度の探索にはあれを着てくるのよ!」 「了解した」 F-3 朝比奈さんは、吟味に吟味を重ねて選び抜いた茶葉を買って、ご満悦の表情だった。 そのあと、なんとはなしに食品売り場をぶらつく。 そこで、俺たちはばったりと会った。そう、長門たちにだ。 「あっ、有希じゃない」 「これはこれは。奇遇ですね」 古泉がいうとちっとも奇遇には思えなくなってくるのは、なぜだろうね。 「長門さんたちも、こちらに来てたんですね」 「ええ。生活物資を書い足しにと思いましてね」 妙に所帯じみてるな、古泉。まあ、一人暮らしだから、自分で用意しなきゃならんものも多いのだろう。 ところで長門。そのカートのかごにうず高く積まれている缶詰はいったいなんだ? G-3 大量のカレー缶は、代金支払いのあと、長門の宇宙人パワーによって、長門のマンションまでワープしていった。もちろん、周囲の一般人たちにはバレないようにだ。 さすがに、これだけ大量のカレー缶を背負って歩いてたら、それだけで不審人物だからな。 さて、これからどうしようかと思ったところでふと思いついた。 「長門。たまには服でも見てみないか。あいにく、俺には買ってやる金は残ってないけどな」 我ながら情けない言い方になってしまったが、いつも制服じゃ長門も味気なかろう。 「そうですね。私が、長門さんに似合う服を見繕ってあげます」 朝比奈さんの賛同も得られて、歩き出したところで、長門がすぐに立ち止まった。 その視線の先に、顔を向けると、 「あっ、有希じゃない」 そこには、ハルヒたちがいた。 なんだ。おまえらもここに来てたのか。 「これはこれは。奇遇ですね」 古泉がいうとちっとも奇遇には思えなくなってくるのは、なぜだろうね。 「ちょっと、キョン。ちゃんと、不思議を見つけて来たんでしょうね!?」 ああ、見つかったさ。宇宙人の力によってワープしていく大量のカレー缶。これ以上の不思議はそうそうないぞ。 まあ、これをハルヒに話すわけにはいかないけどな。 H-3 食品売り場に向かったところで、俺たちは、朝比奈さんたちとばったり会った。 「あっ、みくるちゃんじゃない」 「これはこれは。奇遇ですね」 古泉がいうとちっとも奇遇には思えなくなってくるのは、なぜだろうね。 「涼宮さんたちも、こちらに来てたんですね」 ええ。朝比奈さんに早く再会したいと思う俺の気持ちが天に通じたのでしょう。 「涼宮さんたちは、ここで何をしてたんですかぁ?」 「見てのとおり、団長様の荷物持ちですよ」 ところで長門。そのカートのかごにうず高く積まれている缶詰はいったいなんだ? I-3 大量のカレー缶は、代金支払いのあと、長門の宇宙人パワーによって、長門のマンションまでワープしていった。もちろん、周囲の一般人たちにはバレないようにだ。 さすがに、これだけ大量のカレー缶を背負って歩いてたら、それだけで不審人物だからな。 さて、これからどうしようかと思ったところでふと思いついた。 「長門。たまには服でも見てみないか」 いつも制服じゃ長門も味気なかろう。古泉に奢らせたおかげで、財布の中身にはいささかの余裕がある。安い服なら、買ってやってもいいと思った。長門には世話になってるしな。 「それは、いいアイデアですね」 意外にも古泉の賛同も得られて、歩き出したところで、長門がすぐに立ち止まった。 その視線の先に、顔を向けると、 「あっ、有希じゃない」 そこには、ハルヒたちがいた。 なんだ。おまえらもここに来てたのか。 「これはこれは。奇遇ですね」 古泉がいうとちっとも奇遇には思えなくなってくるのは、なぜだろうね。 「ちょっと、キョン。ちゃんと、不思議を見つけて来たんでしょうね!?」 ああ、見つかったさ。宇宙人の力によってワープしていく大量のカレー缶。これ以上の不思議はそうそうないぞ。 まあ、これをハルヒに話すわけにはいかないけどな。 J-3 朝比奈さんは、吟味に吟味を重ねて選び抜いた茶葉を買って、ご満悦の表情だった。 そのあと、なんとはなしに食品売り場をぶらつく。 そこで、俺たちはばったりと会った。そう、ハルヒと長門にだ。 「あっ、みくるちゃん」 「涼宮さんも、こちらに来てたんですかぁ」 「有希に服を買ってあげたのよ!」 その服を詰めた袋は、ハルヒの両手にぶら下がっている。俺以外の団員には優しいな、ハルヒよ。 「これはこれは。奇遇ですね」 古泉がいうとちっとも奇遇には思えなくなってくるのは、なぜだろうね。 ところで長門。そのカートのかごにうず高く積まれている缶詰はいったいなんだ? エピローグ 結局、組み分けの甲斐もなく合流しちまった俺たちは、団長様の突然の思いつきで、闇鍋大会をやることになり、その場で食材の買い込んで、長門のマンションに直行した。 夏場に鍋というのもどうかと思うが、ハルヒの天才的な味付けによって魔法のごとく美味かったから、よしとしよう。 その日は、トランプやらゲームやらで遊びまくり、結局、長門の部屋に泊まりこむことになった。 なんだかんだいっても楽しい一日だったぜ。 *長門有希注記 以上、私が保管している観測データより復元した記録である。 なお、これらのシークエンスにおいては、彼らは2週間を何度もループしている事実に最後まで気づくことはなかった。
https://w.atwiki.jp/haruhi-2ch/pages/63.html
涼宮ハルヒの退屈(2006年放送版第04話、構成第07話・DVD版第08話/2009年放送版・時系列第07話) スタッフ 脚本:村元克彦 絵コンテ:吉岡忍 演出:吉岡忍 作画監督:池田和美、荒谷朋恵 原作収録巻 第3巻:短編集『涼宮ハルヒの退屈』より短編『涼宮ハルヒの退屈』。計61ページ分をアニメ化。一部改変。 DVD収録巻 『「涼宮ハルヒの憂鬱」第4巻』に収録。 紹介 放送順では古泉初登場。 突飛な展開だが、キョン以外のSOS団員が普通じゃないことを分かっていれば楽しめる。 その一方、キャラ設定が説明されないまま進行するため、放送当時は「意味不明」と言われアンチのネタになることが多かった。 時系列順では「憂鬱」直後の話。ハルヒの性格もあまり変わっていないことがわかる。 2009年版の放送では次回は『笹の葉ラプソディ』。 2006年放送順の提供バックのねこマンは『チアねこマン』。(DVD第03巻に収録) 2009年版の放送ではこの回から提供バック中にサントラの『ハルヒの告白』が流れる様になる。 次回予告 TV版(『涼宮ハルヒの憂鬱』第4巻に収録): ハルヒ「次回!『涼宮ハルヒの憂鬱』、第3話!」 キョン「チッガーウ!! 次回、『涼宮ハルヒの憂鬱』、第5話!『涼宮ハルヒの憂鬱 III』えーとつまり? これが前回の続き?……無駄にややこしいのだが……」 ※オフィシャルファンブック『涼宮ハルヒの公式』P.43から引用。 DVD版: 有希:次回、『ミステリックサイン』。ブーン。 放送版とDVD版との違い フリーザーの上に置いた急須が描き加えられている。 パロディ・小ネタ キョンが投手に代わり、投球するシーンからタッチっぽい曲がw→音楽の神前氏の仕業らしい。 どこぞの永世監督→長○監督。 マジックポイントを減らそうとしている。→ドラゴンクエスト。 長門が1回目のホームランをかっ飛ばす場面のキョンの『すごい飛んでる!』→杉田氏のアドリブ。 など多数。 キャスト・スタッフ(詳細) キャスト 1段目 キョン:杉田智和 涼宮ハルヒ:平野綾 長門有希:茅原実里 朝比奈みくる:後藤邑子 古泉一樹:小野大輔 2段目 鶴屋さん:松岡由貴 谷口:白石稔 国木田:松元恵 キョンの妹:あおきさやか 野球部主将:石川大介 主審:柳沢栄治 キャッチャー(上ヶ原パイレーツ):大橋隆昌 バッター(上ヶ原パイレーツ):西本理一 キャプテン(上ヶ原パイレーツ):金子英彦 スタッフ 脚本:村元克彦 絵コンテ:吉岡忍 演出:吉岡忍 作画監督:池田和美、荒谷朋恵 動画検査:中野恵美 美術設定:田村せいき、平床美幸 美術監督補佐:平床美幸 色指定検査:高木理恵 制作マネージャー:八田真一郎 原画 牧田昌也 牟田亮平 高田謡子 河浪栄作 高橋真梨子 中野良一 吉岡忍 動画 古川かおり 井上真希 遠藤亜矢子 引山佳代 Ani Village 仕上げ 石原裕介 豊澤綾 胡恵美 佐々木祥子 田口真由美 Ani Village 背景 鵜ノ口穣二 細川直生 篠原睦雄 袈裟丸絵美 加藤夏美 川内淑子 松浦真治 撮影 中上竜太 田中淑子 高尾一也 山本倫 石井和沙 浜田奈津美 梅津哲郎 (ポストプロダクションなどは省略) 放送日程 2006年(野球中継などは考慮せず) チバテレビ:2006年4月23日24時00分-24時30分 テレ玉:2006年4月23日25時30分-26時00分 tvk:2006年4月24日25時15分-25時45分 KBS京都:2006年4月24日25時30分-26時00分 テレビ北海道:2006年4月24日26時00分-26時30分 サンテレビ:2006年4月25日24時00分-24時30分 TBC東北放送:2006年4月25日26時00分-26時30分 東京MXテレビ:2006年4月26日25時30分-26時00分 テレビ愛知:2006年4月26日26時28分-26時58分 広島ホームテレビ:2006年4月29日26時05分-26時35分 TVQ九州放送:2006年4月29日26時40分-27時10分 2009年 サンテレビ:2009年5月14日24時40分-25時10分 テレ玉:2009年5月14日25時00分-25時30分 新潟テレビ21:2009年5月14日25時45分-26時15分 東京MXテレビ:2009年5月15日26時30分-27時00分 tvk:2009年5月15日27時15分-27時45分 TVQ九州放送:2009年5月16日26時40分-27時10分 テレビ和歌山:2009年5月17日25時10分-25時40分 テレビ北海道:2009年5月18日25時30分-26時00分 KBS京都:2009年5月19日25時00分-25時30分 広島テレビ放送:2009年5月19日25時29分-25時59分 チバテレビ:2009年5月19日26時00分-26時30分 奈良テレビ:2009年5月19日26時00分-26時30分 仙台放送:2009年5月19日26時08分-26時38分 メ~テレ:2009年5月19日27時55分-28時25分 Youtube:2009年5月20日22時00分-2009年5月27日21時59分(1週間限定配信) RKK熊本放送:2009年11月29日25時50分-26時20分 DVDチャプター アバン(0:00~1:21) Aパート開始(2:50~5:25)※題名無し練習開始!(5:26~7:28) 止めた方ががいい・・・(7:29~10:14) プレイボール!(10:15~11:31) Bパート(11:32~12:16)※題名無し穴だらけの守備(12:17~14:06) 謎のブロックサイン(14:07~16:34) コールド負けか?(16:35~18:18) 訝しがる上ヶ原パイレーツ(18:19~20:21) ゲームセット!(20:22~21:54) 今度はどっち?(21:55~22:20) 使用サントラ 0 00~0 33 SE 0 34~1 20『好調好調』サントラ03収録 1 21~2 50 OP 2 51~3 12 SE 3 13~5 25『ザ・強引』サントラ05収録 5 26~6 05 SE 6 06~6 46『特訓あるのみ』サントラ05収録 6 47~8 30 SE 8 31~10 14『何かがおかしい』サントラ02収録 10 15~10 35 SE 10 36~11 33『おいおい』サントラ02収録 11 34~12 17『やれやれおいおい』サントラ05収録 12 18~13 11 SE 13 12~14 58『激烈で華麗なる日々』サントラ05収録 14 59~15 23 SE 15 24~16 36『神人』サントラ04収録 16 37~17 23 SE 17 24~18 20『長門VS朝倉』サントラ03収録 18 21~19 10 SE 19 10~20 22『 野球は青春との接触』サントラ05収録 20 23~20 58 SE 20 59~21 54『いつもの風景』サントラ 02収録 21 55~22 06 SE 22 07~22 20『コミカルハッスル』サントラ06収録 22 21~23 25 ED 23 26~23 40『冒険でしょでしょ?予告アレンジ』サントラ02収録 一覧 新アニメ 1期時系列 1期放映順 DVD 原作小説(巻) コミック収録巻 アニメサブタイトル #01 第01話 第ニ話 第01巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 I #02 第02話 第三話 第01巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 II #03 第03話 第五話 第02巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 III #04 第04話 第十話 第02巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 IV #05 第05話 第十三話 第03巻 憂鬱(1) 第02巻 涼宮ハルヒの憂鬱 V #06 第06話 第十四話 第03巻 憂鬱(1) 第02巻 涼宮ハルヒの憂鬱 VI #07 第07話 第四話 第04巻 退屈(3) 第03巻 涼宮ハルヒの退屈 #08 - - 新第01巻 退屈(3) 第03巻 笹の葉ラプソディ #09 第08話 第七話 第04巻 退屈(3) 第04巻 ミステリックサイン #10 第09話 第六話 第05巻 退屈(3) 第04巻 孤島症候群(前編) #11 第10話 第八話 第05巻 退屈(3) 第04巻 孤島症候群(後編) #12 - - 新第02巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #13 - - 新第02巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #14 - - 新第03巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #15 - - 新第03巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #16 - - 新第04巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #17 - - 新第04巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #18 - - 新第05巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #19 - - 新第05巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #20 - - 新第06巻 溜息(2) 第05巻 涼宮ハルヒの溜息 I #21 - - 新題06巻 溜息(2) 第05巻 涼宮ハルヒの溜息 II #22 - - 新第07巻 溜息(2) 第05-06巻 涼宮ハルヒの溜息 III #23 - - 新第07巻 溜息(2) 第06巻 涼宮ハルヒの溜息 IV #24 - - 新第08巻 溜息(2) 第06巻 涼宮ハルヒの溜息 V #25 第11話 第一話 第00巻 動揺(6) 未制作 朝比奈ミクルの冒険 Episode00 #26 第12話 第十二話 第06巻 動揺(6) 第06巻 ライブアライブ #27 第13話 第十一話 第06巻 暴走(5) 第07巻 射手座の日 #28 第14話 第九話 第07巻 オリジナル 未制作 サムデイ イン ザ レイン
https://w.atwiki.jp/sasaki_ss/pages/152.html
佐々木さんエンドレスエイトの巻 佐々木「我ながら困ったものだね。この夏休み、やりのこしたことを終わらせなければ、 永久に僕たちはループし続けてしまうらしい」 キョン「自分でわかってんならなんとかしてくれ」 佐々木「だから、困ったものだと言ったろう、キョン。自分でも止められないし、 何が心残りかも自覚できていないんだ。そんなに不満が多い夏休みだとは 思っていなかったんだけどねえ。 そういうわけで、キョン、悪いけれど、協力してくれないか」 キョン「まあ、断る理由はないな」 佐々木「助かるよキョン。君のそういう所は変わらないな」 佐々木「まずは二人でプールに行かないか。夏休みといえばこれは定番だと思う。 中三のときは受験だから、君とプールに行ったことはないし」 キョン「よしわかった。SOS団のみんなも呼んで、楽しくやろうぜ。朝比奈さんに弁当作ってもらうのもいいな」 佐々木「……」 佐々木「……色々言いたいことはあるのだけれど、次は盆踊りに初挑戦したいと思う」 キョン「よし、うまい綿アメ屋さんを教えてやろう。……ああすまんちょっと待ってくれ。 妹よ、おまえもいい年なんだからいいかげんひっつくな。ほら、あんず飴がほっぺたについてるぞ」 妹「キョンくんとってー」 佐々木「………」 佐々木「夜の学校で天体観測というのも興味深い、二人でひとつの毛布にくるまって……」 キョン「小泉の奴が天体望遠鏡持ってるらしいんだ。あいつに手伝わせよう」 佐々木「…………」 佐々木「学生らしく図書館で一緒に宿題を」 キョン「お前学校違うだろ。まあいいけど。……よう長門、またここか」 佐々木「……………」 佐々木「アルバイトというのも興味深……」 キョン「げ、ハルヒもここでバイトしてやがったのか!」 ハルヒ「ちょっとキョン! なんでその娘と二人でこんなとこにいんのよ!」 佐々木「………………」 キョン「色々やったがループが終わりそうな気配はないな。佐々木よ、お前の心残りってなんだろうなあ?」 佐々木「僕の心残りは指数関数的に絶賛上昇中だよ! キョンのバカーー!!」 キョン「な、何故?」 佐々木「結局、『もう夏休みアタックはダメだ。こっちの精神がもたない』と、 無意識の領域でまでその残酷な事実を認識することで、ようやくループが止まったよ…… 本当に疲れる夏休みだった……あれ、どうしたの橘さん?」 橘「42日間×15498回の神人の群れ……。いやあ、もうあそこに行きたくない。行きたくないよぉ」
https://w.atwiki.jp/haruhi-2ch/pages/61.html
涼宮ハルヒの憂鬱Ⅰ(2006年放送版第02話、構成第01話・DVD版第02話/2009年放送版・時系列第01話) スタッフ 脚本:石原立也 絵コンテ:石原立也 演出:石原立也 作画監督:池田晶子 原作収録巻 第1巻:長編『涼宮ハルヒの憂鬱』よりプロローグから第2章の66Pまで。61ページ分をアニメ化。 DVD収録巻 『「涼宮ハルヒの憂鬱」第1巻』に収録。 紹介 放送順では第2話、時系列では第1話。ここから全ての話が始まるが、原作に登場し、後になると気付く重要な伏線とアニメで解決する伏線が登場するのもこの話。 OPは冒険でしょでしょ?で、番組全体のスタッフが表示。EDは2006年放送版1話でスタッフクレジットがスクロールでダンスの画面も縮小だったが、この話からフル画面・固定に。 この回は監督演出回、キャラクターデザイン総作画監督が作画監督を担当、原画マンも各話の演出家や作画監督が多く参加しており、相当力を入れていることが伺われる。 この回の作画クオリティは2006年放送版全14話中最高クオリティとも言われている(放送終了当時のログより)。 2006年放送順の提供バックのねこマンは『女学生ねこマン』。(DVD第02巻に収録) 次回予告 TV版(『涼宮ハルヒの憂鬱』第1巻に収録): ハルヒ:次回、涼宮ハルヒの憂鬱第2話! キョン:違う!!次回、涼宮ハルヒの憂鬱第3話『涼宮ハルヒの憂鬱 II』。少しは人の話、聞きなさい!!お楽しみに。 DVD版: 有希:次回、『涼宮ハルヒの憂鬱 II』。見て。 放送版とDVD版との違い 放送では1話の次回予告にあった生徒手帳を眺めるシーンやキョン、谷口、国木田と話すシーン・カットがいくつか追加されている。(東中の校庭落書き事件など) パロディ・小ネタ ハルヒが一つの萌え要素として持ち出したのは、雑誌コンプティークと雑誌コンプエース。(石原監督によるとプロデューサーからの推薦だとか) 中学時代のハルヒをデートに誘って5分で断られたのは本人は違うと言っているが、谷口と見られている。(担当声優の白石稔は新らっきー☆ちゃんねる第12回のクイズコーナーで認めている。)デートに誘った場所のモデルは神戸市のハーバーランドのモザイクガーデンとのこと。 キャスト・スタッフ(詳細) キャスト 1段目 キョン:杉田智和 涼宮ハルヒ:平野綾 長門有希:茅原実里 朝比奈みくる:後藤邑子 2段目 谷口:白石稔 国木田:松元恵 朝倉涼子:桑谷夏子 岡部先生:柳沢栄治 スタッフ 脚本:石原立也 絵コンテ:石原立也 演出:石原立也 作画監督:池田晶子 動画検査:中野恵美 美術設定:田村せいき 美術監督補佐:平床美幸 色指定検査:石田奈央美 制作マネージャー:富井涼子 原画 北之原孝将 高橋博行 米田光良 浦田芳憲 坂本一也 西屋太志 紫藤晃由 大藤佐恵子 堀口悠紀子 高雄統子 山田尚子 小松麻美 松尾祐輔 動画 中峰ちとせ 黒田久美 栗田智代 大川由美 仕上げ 宮田佳奈 宇野静香 川合靖美 相沢朝子 背景 鵜ノ口穣二 細川直生 篠原睦雄 袈裟丸絵美 加藤夏美 丸川智子 川内淑子 松浦真治 撮影 中上竜太 田中淑子 高尾一也 山本倫 石井和沙 浜田奈津美 梅津哲郎 (ポストプロダクションなどは省略) 放送日程 2006年(野球中継などは考慮せず) チバテレビ:2006年4月9日24時00分-24時30分 テレ玉:2006年4月9日25時30分-26時00分 tvk:2006年4月10日25時15分-25時45分 KBS京都:2006年4月10日25時30分-26時00分 テレビ北海道:2006年4月10日26時00分-26時30分 サンテレビ:2006年4月11日24時00分-24時30分 TBC東北放送:2006年4月11日26時00分-26時30分 東京MXテレビ:2006年4月12日25時30分-26時00分 テレビ愛知:2006年4月12日26時28分-26時58分 広島ホームテレビ:2006年4月15日26時05分-26時35分 TVQ九州放送:2006年4月15日26時40分-27時10分 2009年 サンテレビ:2009年4月2日24時40分-25時10分 テレ玉:2009年4月2日25時00分-25時30分 新潟テレビ21:2009年4月2日25時45分-26時15分 東京MXテレビ:2009年4月3日26時30分-27時00分 tvk:2009年4月3日27時15分-27時45分 TVQ九州放送:2009年4月4日26時40分-27時10分 テレビ和歌山:2009年4月5日25時10分-25時40分 テレビ北海道:2009年4月6日25時30分-26時00分 KBS京都:2009年4月7日25時00分-25時30分 広島テレビ放送:2009年4月7日25時29分-25時59分 チバテレビ:2009年4月7日26時00分-26時30分 奈良テレビ:2009年4月7日26時00分-26時30分 仙台放送:2009年4月7日26時08分-26時38分 メ~テレ:2009年4月14日27時25分-27時55分 (1,2話連続放送) Youtube:2009年4月15日22時00分-2009年4月22日21時59分(1週間限定配信) RKK熊本放送:2009年10月18日25時50分-26時20分 DVDチャプター 使用サントラ 0 00~1 37 『いつもの風景』サントラ02収録 1 37~1 55 SE 1 56~2 30 『激烈で華麗なる日々』サントラ05収録 2 30~4 00 OP 4 01~4 40 『ザ・ミステリアス』サントラ02収録 4 40~4 52 SE 4 53~6 35『何かがおかしい』サントラ02収録 6 36~7 11 SE 7 12~8 43『コミカルハッスル』サントラ06収録 8 44~10 46 SE 10 47~12 03『憂鬱の憂鬱』サントラ02収録 12 04~13 36 SE 13 37~15 20『うんざりだ』サントラ03収録 15 21~15 27 SE 15 28~16 07『ザ・強引』サントラ05収録 16 08~17 16 SE 17 17~18 44『好調好調』サントラ03収録 18 45~19 45 SE 19 46~20 55『悲劇のヒロイン』サントラ03収録 20 56~21 07 SE 21 08~22 18『おいおい』サントラ02収録 22 19~22 52 SE 22 53~23 36『SOS団始動!』サントラ05収録 23 37~24 40 ED 24 41~24 57『冒険でしょでしょ?予告アレンジ』サントラ02収録 一覧 新アニメ 1期時系列 1期放映順 DVD 原作小説(巻) コミック収録巻 アニメサブタイトル #01 第01話 第ニ話 第01巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 I #02 第02話 第三話 第01巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 II #03 第03話 第五話 第02巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 III #04 第04話 第十話 第02巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 IV #05 第05話 第十三話 第03巻 憂鬱(1) 第02巻 涼宮ハルヒの憂鬱 V #06 第06話 第十四話 第03巻 憂鬱(1) 第02巻 涼宮ハルヒの憂鬱 VI #07 第07話 第四話 第04巻 退屈(3) 第03巻 涼宮ハルヒの退屈 #08 - - 新第01巻 退屈(3) 第03巻 笹の葉ラプソディ #09 第08話 第七話 第04巻 退屈(3) 第04巻 ミステリックサイン #10 第09話 第六話 第05巻 退屈(3) 第04巻 孤島症候群(前編) #11 第10話 第八話 第05巻 退屈(3) 第04巻 孤島症候群(後編) #12 - - 新第02巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #13 - - 新第02巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #14 - - 新第03巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #15 - - 新第03巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #16 - - 新第04巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #17 - - 新第04巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #18 - - 新第05巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #19 - - 新第05巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #20 - - 新第06巻 溜息(2) 第05巻 涼宮ハルヒの溜息 I #21 - - 新題06巻 溜息(2) 第05巻 涼宮ハルヒの溜息 II #22 - - 新第07巻 溜息(2) 第05-06巻 涼宮ハルヒの溜息 III #23 - - 新第07巻 溜息(2) 第06巻 涼宮ハルヒの溜息 IV #24 - - 新第08巻 溜息(2) 第06巻 涼宮ハルヒの溜息 V #25 第11話 第一話 第00巻 動揺(6) 未制作 朝比奈ミクルの冒険 Episode00 #26 第12話 第十二話 第06巻 動揺(6) 第06巻 ライブアライブ #27 第13話 第十一話 第06巻 暴走(5) 第07巻 射手座の日 #28 第14話 第九話 第07巻 オリジナル 未制作 サムデイ イン ザ レイン
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4316.html
*間違い探しのような感じで楽しんでいただければ幸いです。 半スリープモード解除。 現在日時、8月17日0時0分。 時間逆流停止、時間流再進行を確認。 セルフチェック開始。有機身体に損傷なし。個体情報に欠損なし。記憶リセット防止措置は成功と認められる。ただし、個体情報にエラー蓄積を確認。強制削除不能。蓄積エラー容量は許容範囲内と判断。現在、個体全機能は正常に動作中。 パーソナルネーム長門有希より、情報統合思念体へ。指示を求む。 不干渉原則を維持し、観測を継続せよ。 了解した。 世界構成情報、前シークエンスまでの平均値との差異0.0002%。当面の任務に影響なしと判断。 主要観測対象の現在位置を特定。 シークエンス103、観測開始。 ・ ・ ・ ・ ・ お盆を過ぎた夏の盛り。 俺は家の居間でダラダラしながら別に見たくもない高校野球をテレビで眺めていた。昼まで寝ていてついさっき起きたばかりということもあり、山と積まれた夏休みの課題に立ち向かう気力など微塵もあるわけがなく、ただダラダラと過ごしていたのである。 テレビに映る試合はたまたま俺の地元チームが出場しているものだったがボロ負けだった。はっきりいってこの状態から逆転するのは不可能と思えるありさまだったが、それでも俺は地元チームを応援していた。熱心に、というわけではなかったが。 テレビを眺めながら、ただなんとなく最近の出来事を回想する。 俺は妹を連れて母親の実家がある田舎まで避暑と先祖供養を兼ねて遠出して、久しぶりに顔を合わせたイトコやらハトコやら甥やら姪やらと二週間ばかり川や海や山や草原で心ゆくまで遊び倒してやって、昨日帰ってきたばかりだ。 昔は、従姉妹のねーちゃんに同じように遊んでもらったものだ。あのころのねーちゃんは、取り立てて美人というわけでもなかったが、俺には輝いて見えた……。 おっと、初恋の思い出に浸るなんて、俺のガラじゃねぇぜ。 なんて思った瞬間に、携帯電話が着信音をがなり立て始めた。 素早く表示を見ると、電話の主は涼宮ハルヒに相違ない。 また、何か疲れる出来事に巻き込んでくれるに違いないという確信を抱きつつ通話ボタンを押した。 『今日あんたヒマでしょ』 というのが第一ハルヒ声だった。 『一時ジャストに駅前に全員集合だから。ちゃんと来なさいよ』 それから、早口な声で持ってくるべきものを告げて、 『それとあんたは自転車で来ること。それから充分なお金ね』 と、言ったきり、あっさり切っちまいやがった。久々の会話だというのに、時候の挨拶も抜きならハローもなしだ。ついでに出たのが俺かどうかの確認すらしやがらねえ。 まあ、ハルヒらしいけどな。 涼しげな音がテレビから響いて目を遣ると、敵チームの得点はとうとう二桁に達しているところだった。金属バットに硬球が当たる音が容赦なく俺に告げる。 夏も終わりが近い。 クーラーをガンガンに効かせた閉めきった部屋に、ミンミンゼミの大合唱が壁からしみ出すように漏れ届いていた。 「しょうがねえな」 しかしハルヒの奴、夏休みが始まるや否や合宿と称して俺たちを変な島に連れて行っただけでは不充分だったのか。このクソ暑いのにいったい何をしようと言うんだ? 俺は冷房の効いている場所から動く気は全然しないぜ。 そう思いつつ、俺は言われた通りのブツを出すために洋服箪笥へと向かった。 「遅いわよ、キョン。もっとやる気を見せなさい!」 涼宮ハルヒがビニールバッグを振り回して、ご機嫌さんな顔で俺に人差し指を突きつけた。こいつは何も変わっちゃいない。 「みくるちゃんも有希も古泉くんも、あたしが来る前にはしっかり到着してたわよ。団長を待たせるなんて、あんた、何様のつもり? ペナルティよ、ペナルティ」 集合場所に現れた最後の人物は俺だった。ちゃんと十分前に来たってのに、他のメンツは急なハルヒの呼び出しをあらかじめ解っていたような速度で集合したらしい。おかげで毎回俺が奢るハメになるんだが、もう慣れたしあきらめたね。 ふと朝比奈さんに目を向けると、彼女は両手でバスケットを持っていた。何か期待していいようなモノが入っていそうな気配を感じ、俺はなんとなく楽しい気分になる。いつまでもそんな気分に浸っていたかったのだが、横から邪魔者が声を割り込ませてきた。 「お久しぶりですね。あれからまた旅行にでも出かけていたのですか?」 古泉一樹は輝かんばかりに白い歯を見せつつ俺に向かって指を立てた。 俺はそれを無視して、視線をその横に転進させた。 長門有希の無情に無機質な姿がそこにあった。汗腺があるのかどうかも疑わしいほど、汗一つかかずに直立している。 「…………」 動かないネズミのオモチャを見るような目つきで長門は俺を見上げ、ゆるりと首を傾けた。会釈のつもりだろうか。 「それじゃあ、全員も揃ったことだし、出発しましょ。市民プールにレッツゴー!」 ハルヒは誰の意見も聞かずに一方的にそう宣言した。まあ、基本的に俺以外の三人はハルヒに意見するなどという無駄な行為をしないので、毎度耳を貸されないのは俺の意見だけということになる。 常識的に考えて理不尽そのものなのだが、確かに常識的な人間なのは俺だけだからそうなる運命なのかもしれん。いやな運命だな。 俺が運命と宿命の違いについて考えているうちに、いつの間にか、俺がハルヒと長門を乗せて自転車を漕ぐことが規定事項となっていた。 長門は荷台にちょこんと座り、ハルヒは後輪のステップに足を乗せて俺の両肩をつかんでいる。 「ほら、キョン! なにボケっとしてるのよ! 古泉くんに置いていかれるわよ! さっさと漕ぎなさい!」 見れば、古泉は既に朝比奈さんを自転車の荷台に乗せて走り出していた。 おのれ、古泉。いますぐ交代しろ。 俺は心の中でそう叫びつつ、ペダルに力を込めた。ぐっ。さすがに二人分の体重はきついぜ。 くそ、帰りは絶対、朝比奈さんとの二人乗りを満喫してやりたい。この俺のママチャリだってきっとそう思っているはずさ。 市民プールはいっそのこと庶民プールと看板を書き換えたほうがいいのではないかというくらいのチャチな所で、なんせ五十メールプールが一つと、お子様用の水深十五センチくらいのでっかい水たまりしかない。 こんなプールに泳ぎに来ようという高校生はよほど行く場所に困った奴だけであり、すなわち我々だけであった。あとは、見事にガキとその母親しかいない。どうも俺の視神経を楽しませてくれるのは朝比奈さんだけのようである。 「うん、この消毒液の匂い。いかにもって気がするわ」 太陽光の下、真紅のタンキニを体に貼り付かせたハルヒが目を閉じて鼻をくんくん鳴らしている。 ハルヒに続いて更衣室から出てきた朝比奈さんは、まるで子供みたいなヒラヒラしたワンピースで、長門は地味で飾り気のないスクール水着みたいなやつである。 この二人の水着もハルヒが選んだものだろう。自分の衣装には無頓着なくせに、他人の(特に朝比奈さんの)衣装にはうるさい奴だからな。 「とりあえず荷物置く場所を確保して。それから泳ぎましょ。競争よ、競争。プールの端から端まで誰が一番速く泳げるか」 実に子供っぽいことを言い出して、準備運動もせずにさぶんとプールに飛び込んだ。あちこちに書いてある「飛び込み禁止」という言葉が読めないのか、こいつは。 「早くきなさーい! 水が温くて気持ちいいわよ!」 俺は肩をすくめて朝比奈さんと目を合わせ、手近な日陰に敷布やバッグを置くために歩き出した。 団員全員強制参加となった五十メートル自由形競争は、長門の連戦連勝。 そのあと、女子ユニット三人は、小学生グループと一緒になって水球ごっこ。俺と古泉は、そんな彼女たちの様子をただ眺めていた。 遅い昼食は、朝比奈さんお手製の幕の内弁当。オークションに出せば五十万円は下るまいというほどの価値がある感動的な味であった。 そして、黙々と食べ続ける長門を残し、男子小学生の集団と一緒に水中ドッヂボール。 それから一時間ほど後、俺と古泉は水から上がってプールサイドに腰掛けた。 どうにも場違いだ。ハルヒは何を思ってこんな何もない市民プールを選んだのだろう。造波プールくらい増設しろとは言わないが、もっと快活な高校生グループが出かけそうな場所がありそうなものだが。 じりじりと焼き付く陽光に、肌が大急ぎでメラニン色素を増強しようとしているのが解る。 そういや長門も日に焼けたりするのかなと思って姿を探すと、小柄な短髪無言娘はさっきの日陰にぺたんと座り込んだまま、怜悧な瞳を宙に固定させていた。 いつもの姿だ。どこに行っても変わりなく、土偶のように静止している長門の姿である……のだが、どこか違和感を覚えた。 一瞬だけ長門が退屈そうにしているように見えたのである。 しかし、俺はすぐにその考えを振り払った。あの長門に限って、それはありえないだろう。 そんなことを考えていた俺の足元から唐突に、 「この二人があたしの団員よ。何でも言うことを聞くから、何でも言っちゃいなさい」 目をプールに戻した俺は、女子児童の群れを引き連れて俺たちの足元までやってきたハルヒを発見した。 元気溌剌な小学生たちの相手に疲れたのか、朝比奈さんは顎まで水面に付けて軽く目を閉じている。小学生以上に悩みなく絶好調なハルヒはキラキラ輝く瞳を俺と古泉に向けて、 「さあ、遊ぶわよ。水中サッカーをするの。男二人はゴールキーパーやってちょうだい」 「それはどんなルールのどんなスポーツだ」 突っ込みはあっさり無視され、俺はしぶしぶ立ち上がった。古泉も微笑を振りまきつつ子供たちの輪に加わっている。 俺は近くに浮いていたアヒル型浮き輪を押し返しつつ、ハルヒがオーバーヘッドキックの要領で蹴り飛ばしたビーチボールを追いかけた。 ふんだんに遊び果て、ようやく俺たちは市民プールを後にした。帰りも俺は曲芸三人乗り、古泉は青春タンデムである。こうやって人の心って荒むんだな。 ハルヒが気ままに示す方角に自転車を漕いでいたら、集合場所の駅前に舞い戻ることになった。 ああ、そうだったな。俺は全員に奢らなければならないのだったな。 喫茶店に落ち着いた俺は冷たいおしぼりを首に巻いて椅子にもたれ込んだ。すかさず、 「これからの活動計画を考えてみたんだけど、どうかしら」 テーブルに一枚の紙切れが厳かに降臨し、俺たちに見ろとばかりに人差し指が突きつけられる。破いたノートのA4紙切れ。 「何だ、これは?」 俺の質問に、ハルヒは自慢たらしい表情で、 「残り少ない夏休みをどうやって過ごすかの予定表よ」 「誰の予定表だ」 「あたしたちの。SOS団スーパースペシャルベストサマーシリーズよ!」 ハルヒの手書き計画書には、次のような日本語が書いてある。 ○『夏休みにしなきゃダメなこと』 ・夏期合宿。 ・プール。 ・盆踊り。 ・花火大会。 ・バイト。 ・天体観測。 ・釣り。 ・昆虫採集。 ・肝試し。 ・その他。 夏休み熱。 たぶんそんな熱病がどっかの密林からチョロチョロと出てきたんじゃないだろうか。蚊だか何だかを媒介にしてウツるんだきっと。 ハルヒの血を吸ったその蚊に同情するね。食あたりで落下してるだろうからな。 上記のうち、夏期合宿とプールには大きなバッテンマークが重なっていた。どうやら終了済みという印らしい。 するとだ、あと以下これだけのメニューを二週間足らずでこなさないといけないわけか。しかも「その他」って何だ。まだ何かするというのか。 「何か思いついたらするけどね。今んとこはこれくらいよ。みくるちゃんは何かしたいことある?」 「えーと……特にありません」 さらにハルヒは長門と古泉の要望も聞こうとしたが、長門は黙って首を振り、古泉も微笑みながら固辞した。 毎度のことながら、俺の意見は聞かれもしない。まあ、俺も要望はないけどな。 「明日から決行よ。明日もこの駅前に集まること! この近くで明日に盆踊りやってるとこってある? 花火大会でもいいけど」 「僕が調べておきましょう」 古泉が買って出た。 「おって涼宮さんに連絡します。とりあえずは盆踊り、または花火大会の開催場所ですね」 「任せたわよ、古泉くん」 上機嫌にハルヒはチョコレートパフェのアイスを一口で飲み込み、宝島の在処を示す地図でも仕舞うような手つきでノートの紙をたたんだ。 翌昼、俺から惰眠を奪い去ったのはまたしてもハルヒからの電話である。 盆踊り会場が見つかった。時間は今夜。場所は市内の市民運動場。 縁日もセットだそうだ。 そりゃいい。盆踊りなんて真面目に踊る気はさらさらないからな。眺めてるだけじゃ、暇をもてあますところだった。 そして、いつもどおり駅前集合だ。余裕をもって家を出たつもりだったが、また俺が最後だった。 「みんなで浴衣を買いに行くの」 スケジュールの手始めはそうなっているらしい。 「みくるちゃんも有希も浴衣持ってないんだって。あたしも持ってない。この前商店街を通りかかったら下駄とセットで安いやつが売ってたわ。それにしましょう」 ちなみにいうと、古泉は既に浴衣姿だ。それも『機関』の支給品か? 土台がいいと何でも似合うわな。忌々しい。 俺は普段着で行かせてもらうことになった。浴衣を着るのは旅館ぐらいで充分だ。俺の浴衣姿なんか見ても楽しいもんじゃない。 婦人服衣料の量販店に飛び込んだハルヒは、朝比奈さんと長門のぶんも勝手に選んでずかずか試着室へと向かった。長門以外の二人は着付けの仕方を知らなかったため、女の店員に着せてもらうことになったのだが、これがやけに時間がかかる。 俺と古泉はただあてどもなく女物の洋服が立ち並ぶ棚の周囲をウロウロとしてようやくのこと、三人が鏡の前に出そろった。 ハルヒは派手なハイビスカス柄で、朝比奈さんは色とりどりのチューリップ柄、長門はそっけなく地味なアジサイ柄であった。それぞれの浴衣姿はそれぞれに趣があって、俺はなぜだか視線を向ける先に困った。 女店員は「どっちがどの娘の彼氏なのかしら」と言いたげな表情で俺と古泉をちらりちらーりと眺めている。朝比奈さんの彼氏は俺だと名乗り出たい気分だったが、さすがにそれは自重した。 「みくるちゃん、あなた……。可愛いわ! さすがはあたしね。あたしのやることに目の狂いはないのよ!」 ハルヒはまるで我がことのように自慢げである。 確かに、朝比奈さんのお姿はハルヒ押し付けコスチュームの中ではトップクラスにマシな代物だった。 滅茶苦茶似合ってるし。まるで俺の妹が浴衣着ているような雰囲気すら漂っていて、それにしては帯の上部分がアンバランスに膨らみすぎているが可愛ければ何でもアリだ。 すべてを許してしまえる神々しさが朝比奈さんの体躯から放出されている。たとえ彼女が銀行強盗の主犯となったとしても、俺は弁護側の席に座るね。ハルヒだとどうかは解らないが。 気づけば時間もちょうどよい頃合いで、俺たちは市民グラウンドへと隊列を組んだ。 日没前なのにすでに賑わっている盆踊り会場には、どこからともなく市民たちが沸き溢れ蠢きあっていた。よくもまあこれだけ集まれるものだ。 「わあ」 素直に感嘆しているのが朝比奈さんで、 「…………」 どうやったって無反応なのが長門である。 盆踊りで本当に踊っている奴をあんまり見たことがないのだが、今回もそうだった。しかし盆踊りね。なんだかすごく久しぶりに見るな。 「みくるちゃん、あっちでヨーヨー釣りやってるわよ。行きましょ。でかいやつはプラス三百ポイントだからね」 勝手なルールを決めて、ハルヒは朝比奈さんの手を引いてヨーヨー釣りの水槽へとダッシュしていく。 「僕たちもやりましょうか。何個釣れるか、一勝負いかがです?」 ゲーム好きな古泉が提案し、俺は首を振った。水風船なんか持って帰っても、妹が破裂させて部屋を水浸しにするのがオチだ。それよりも、そこかしこで食欲増進を後押しする芳香漂う屋台のほうに興味があるね。 「長門はどうだ? 何か食うか?」 笑わない目が俺を見つめ、ゆるやかに視線が移動。そこにあったのはお面売り場である。そんなもんに興味があるのか。こいつの趣味も解らないな。 「まあいいか。とりあえず一周してみようぜ」 スピーカーが唸るように響かせているイージーリスニングみたいな祭囃子。それに誘われるように、俺は長門をお面の屋台へと連れて行くことにした。少しばかり古泉が邪魔だと感じつつ。 「大漁だったけど、たくさんもいらないから一個ずつ貰ってきたわ。みくるちゃんは全然釣れなかったんだけどね。あたしの分をあげたの」 朝比奈さんの指には水風船がぶら下がっていた。紐のゴムをしっかり握りしめている朝比奈さんの仕草がいちいち可愛らしい。もう片手に握りしめているのは綿飴で、俺は妹にも買って帰ってやろうかと考えた。たまには妹のご機嫌取りもいいだろう。 一方ハルヒは、左手で水風船をボンボンさせながら右手にお好み焼きのトレイを持ち、 「少しだけなら食べていいわよ」 と言って差し出してくる。俺がソースでベタベタのお好み焼きを味わっていると、 「あれ、有希。そのお面どうしたの?」 「買った」 長門がお好み焼きのトレイをじっと見つめながらそう呟く。 長門が頭に横掛けしているのは昔マニアの間で流行った鬱アニメのヒロインのものだ。確かなんとかレイだったかな。あいにく俺はそっち方面に詳しくないのでね。 何か波長の重なるものがあったんだろ。浴衣の袂からガマ口を出して所望したのがそれだった。 なんとなく長門には世話になっているような気がしたのでそれくらい買ってやってもよかったのだが、無言のうちに長門は拒絶して自分の金を出していた。そういや、こいつの収入事情はどうなっているんだろう。 櫓の周りでは炭坑節にあわせて浴衣婦人と子供たちがユラユラと踊っている。どこかの老人会と婦人会と子供会のメンツばかりのように見えた。単に遊びに来た奴は盆踊りで生真面目に踊るなんてことはしないだろうからな。俺たちもしない。 朝比奈さんは、どこか未開のジャングルに行って現地人から歓迎の踊りを披露されたような顔で踊る人間たちを見つめ、 「へぇー。はぁー」 感心するような小声を出していた。未来には盆に踊る風習はないのかね? ハルヒを先頭とする俺たち一団は、それから縁日のひやかしを専らとし、後はハルヒの「あれ食べよう」とか「これやってみましょう」という言葉にただ付き従う従僕となった。 ハルヒはやたらに楽しそうで、朝比奈さんもそのようだったから俺も楽しいことではあった。驚いたことに、古泉までが作り笑いではない微笑を浮かべて楽しそうに見えた。長門が楽しがっているかどうかは俺には解らない。 夏で、夏休みだった。 浴衣姿の三人娘を眺める俺は、それだけですべてを許してしまえる気がしていた。 だからハルヒが、 「花火しましょう花火。せっかくこんな恰好してるんだし、まとめて今日やっちゃいましょ」 そう言い出したときも、ほとんど全面的に賛同したくらいだ。 露天で売っていた花火セットを購入した我々は、近くの河原へと移動を開始した。 それから一時間後、線香花火に目を丸くする朝比奈さんや、ロケット花火を両手に持って走り回るハルヒ、にょろにょろとのたくるヘビ玉をいつまでも見つめ続ける長門など、写真に収めたくなるような光景がそこにあった。 来る途中で、カメラを買っておくべきだったな。 川の水を浴びせかけた花火の残骸をコンビニ袋へ片付けている古泉を横目に、ハルヒは指で唇の端を押さえるようにしていたが、 「じゃあ、明日は昆虫採集ね」 何が何でもリストに挙げた項目は消化するつもりらしい。 「虫網と虫カゴ持って全員集合のこと。いいわね。そうね、全員で採った数を競うの。一番多く虫を捕まえた人は一日団長の権利を譲ってあげるわ」 その称号がもらえるなら、俺はハルヒに腹がはちきれるまで奢ってもらうとしよう。 「うーんと……、カブトムシ限定! そう、これはSOS団内カブトムシ採り合戦なのよ。ルールは……種類はなんでもいいから、一匹でも多かった人の勝ち!」 一人で言い出してやる気になっているハルヒは、団扇を捕虫網に見立てて虫を追うモーションをシャドープレイしている。網とカゴか。家の物置にあったかな。昔使ってたやつ。 そうしてやっと自宅に帰り着いたとき、俺は綿飴のテイクアウトを忘れていたことに気付いた。 翌日、雨でも降ればいいとテルテル坊主に五寸釘を刺していたのに、とんでもない日本晴れが到来した。 「カブトムシって食べられるのかしらね。天ぷらにしたら美味しいかも。あ。あたしタマに思うんだけど、天ぷらが美味しいのって、ひょっとしたら衣が美味しいだけなんじゃない? だったらカブトムシもそうかもよ」 お前一人で喰ってろ。 いい年した高校生が五人も集まって、それぞれ虫取り網とカゴ持参で歩いている図というのも異様だよ。 昼前に集合した俺たちは、緑を求めて北高へ至るルートを踏破していた。なんせ我々の高校は山の中にあるので、無駄に木々が生えくさっており、森や林を根城とする昆虫たちの絶好の住処にもなっているのだ。 だが、一匹がペットショップで何万円の値がつくこのご時勢に、そう簡単にカブトムシが見つかるわけもなく、捕獲対象はあっさりセミに切り替えられた。 標的がセミになったあとは、入れ食い状態だった。わたわたこわごわ網を振り回す朝比奈さんでさえ収穫があったくらいだから、ここいらのセミは人間がこの世で最も警戒すべき動物だとは認識していないのかもしれない。 そうやって捕獲しまくったため、虫カゴはあっという間に満杯になった。 どうすんだよ、これ? そんな俺のモノローグを感じ取ったわけではないだろうが、ハルヒはこう言った。 「やっぱキャッチアンドリリースの精神が必要よね。逃がしてあげたら将来、恩返しに来てくれるかもしれないし」 俺は人間大のセミが家の扉をノックしている姿を思い描いてげんなりする。 一方的に捕まえて逃がして、それで恩返しに来る奴がいたら、そいつはまさに虫なみの知能だ。どうせならリベンジしに来るほうがまだいい。 ハルヒは虫カゴのフタを開けると、前後に揺り動かした。 「ほら! 山に帰りなさい!」 俺もハルヒに倣う。 カゴから湧き出るセミたちは、可愛い悲鳴を漏らしてしゃがみこんだ朝比奈さんの上で舞い踊り、棒立ちの長門の頭をかすめて、あるものは螺旋を描き、あるものは一直線に、夕焼け空へと遠ざかっていった。 またその次の日は、アルバイトが待ち受けていた。 ハルヒがどこからか取り付けてきたアルバイトで、有り難くも俺たちに斡旋してくれたのである。 その一日だけのアルバイト内容とは、モデル撮影会だった。しかも、ウェディング衣装の。 女子団員や古泉の野郎はともかく、俺なんかには場違いもいいところだ。 「何言ってるの。あんたみたいな冴えない男が隣にいるからこそ、花嫁が映えるんじゃない」 もしかしなくても、それは褒めてねぇよな。 なまじ当たってるだけに、反論の言葉が出てこないことが口惜しい。 俺は似合いもしない衣装を着せられ、花嫁をとっかえひっかえして、写真を撮られた。 朝比奈さんが顔を赤らめながら隣に来たときは卒倒するかと思ったね。純白のドレスに身を包んだ朝比奈さんは、まさにこの世に舞い降りた天使といったところで、俺はそのまま昇天しそうになった。 ハルヒや長門も綺麗だったのは事実だが、別に言葉に出して言うべきものでもないさ。 俺が終わると次は古泉の番だった。くそぉ。やっぱ土台がいい奴は違うぜ。古泉は誰が隣に来てもお似合いといった感じで、俺は心の中で延々と呪詛の言葉を吐き続けていた。 バイト代は、三着のウェディングドレスに化けた。 おいおい、いいのかよ。ウェディングドレスといえば、結構な値段がするものだろ。 「みくるちゃんも有希も、これは大事に仕舞っておきなさい! これを着るのはここぞというときだけにするのよ!」 ウェディングドレスは普通は結婚式の日にしか着ないものだぞ、ハルヒよ。 俺は撮られた写真が親類縁者の目に触れることがないことを祈願しつつ、その場をあとにした。 その翌日は天体観測の番だった。 実施場所は長門のマンションの屋上である。ごつい天体望遠鏡を古泉が持ってきて、三脚に備え付けていた。午後九時をまわったところ。 空はすっかり暗くなっており、古泉は楽しそうに微笑みを浮かべてセッティングに余念がない。 「幼い頃の僕の趣味がこれだったんですよね。初めて土星の衛星を捉えたときは、けっこう感動しましたよ」 長門は相変わらずの様子で、ただじっと屋上で立ちつくしている 順番に望遠鏡で火星の模様を眺めたり、月のクレーターを観察しながらの時が流れた。 不意に姿が見えなくなったなと思って探してみると、朝比奈さんは屋上の転落防止柵にもたれるようにして膝を抱えていた。ハルヒに連日連夜引きずりまわされてたからな。疲れてるのだろう。そのまま眠らせてあげよう。 劇的な変化もない夜空に飽きたのか、ハルヒは、 「UFO見つけましょうよ。きっと地球は狙われているのよ。今も衛星軌道くらいに異星人の先遣隊が待機してるはずよ」 楽しげに望遠鏡をぐるぐる回していたが、それにも飽きたのだろう。朝比奈さんの横に座り込んで、小さな肩によりかかってすうすうと寝息を立て始めた。 古泉が静かに言った。 「遊び疲れたのでしょう」 「俺より疲れてるとは思い難いけどな」 夜風にそよがれつつ、俺は二人並んで眠りこけているハルヒと朝比奈さんを眺めていた。こうしていればハルヒも朝比奈さんに引けを取らないよな。こっちのほうがいいって奴もいるだろう。それは間違いない。 「最近、調子はどうだ?」 「大変充実してますよ。友人とともに心行くまで遊び倒せる日々。中学時代の僕には到底考えられませんでしたね」 古泉は心底嬉しそうな表情でそう答えた。 俺も共感できない部分がないとはいわんが、もう少しゆったり過ごせる日があってもいいと思うがね。 「例の灰色空間はどうだ?」 「あの涼宮さんを見れば解るでしょう。少なくても団活が再開してからは一度も発生してませんよ」 まあ、そうだろうな。 古泉は音を立てないように天体観測セットを片付け始めた。 ふと視線を向ければ、長門が棒立ちで天空に顔を向けていた。無表情なのは相変わらずなのだが、何かおかしいような気がした。 さらに翌日。 今度は釣りだった。 県境の川で開催されるハゼ釣り大会に参加することとなったのである。 よくもまあ、こう都合よくイベントが見つかるものだ。 結局、ハゼは一匹しか釣れず、見たことのない小さな魚がエサをついばむばかりだったが、ハルヒの楽しみは投げ竿を振り回すことにあったみたいなのでぶーたれたりはしなかった。 間違ってジョーズを釣り上げるよりはよっぽど有り難いことだと俺は安堵し、エサのゴカイを見るなり青くなって遠くに逃げた朝比奈さんの手作りサンドイッチを心置きなく喰っていた。 それ以降もハルヒの目指すノルマ消化態勢は誰にもポーズボタンを押させない勢いで、俺たちは動きずくめだった。 本物の花火大会にも行った。浜辺でやる尺玉打ち上げ花火。三人娘は再び浴衣に衣替えして、どんどこ打ち上がってはバンバン破砕する火炎の華を(長門はどうだか解らないが)堪能した。 ハルヒは、まったく似ていないキャラ顔花火を指差して笑っていた。無駄に派手なことがハルヒは大好きなのだ。 そういうときだけハルヒの笑顔には邪気の欠片もなく、年齢よりも幼い感じがして俺はひょいと目をそらした。見つめていたら俺が変なことを考えてしまいそうであったからだが、まあ、その変なことなんてのが何かは俺にも解らない。 衣装は偉大であるって事だけ学習できた気分だ。 また別の日は、バッティングセンターに繰り出した。 ハルヒはいつぞや野球部からガメてきたデコボコバットでホームランを連発し、朝比奈さんはひたすらバントの練習をさせられていた。 以前の草野球大会の出来事が尾を引いているようだった。来年も参加するつもりなのか、ひょっとして。 今日は八月三十日、場所はいつもの喫茶店である。 ハルヒの握ったボールペンがすべての行動予定にバツマークをつけていた。 昨夜、わざわざ丑三つ時を選んで広大な墓地まで出向き、ろうそく片手に彷徨するという肝試しが最後のレクリエーションだ。 幽霊が挨拶しに出てくることもなかったし、人魂がふらふら散歩していることもなく、朝比奈さんが無益に怯えているところくらいしか見るべき所もなかったね。 「これで課題は一通り終わったわね。うーん、こんなんでよかったのかしら。……でも、うん。こんなもんよね。ねえ、他に何かしたいことある?」 すっかり疲れ果てていた俺は余計なことは口に出さず、他の三人はハルヒに意見するようなことはしない。 「まあいいわ。これで終了。明日は予備日に空けておいたけど、そのまま休みにしちゃっていいわ。また明後日、部室で会いましょう」 ハルヒは席をたってそのまま自動ドアをくぐって行ってしまった。 なんとなくダウナーだったような気がするが、これぐらいで古泉がアルバイトに駆り出されることはあるまい。さすがのあいつも残り少ない夏休みが名残惜しいのだろう。 「いやはや、明後日には学校ですか。いささか残念ですね」 古泉は本当に残念がっているのか疑いたくなるような微笑を浮かべてそう言った。 「そうですね」 朝比奈さんが相槌を打つ。 「さて、我々も行きますか」 古泉が去り、朝比奈が軽く会釈をして去っていく。 俺も伝票を手に取り席をたったが、長門だけは席に座り続けていた。 「長門」 俺の声に、夏用セーラー服を着た有機ヒューマノイドが顔をあげる。 「…………」 無言の無表情が俺を見つめ返す。拒絶することも受け入れることも知らない、無機の双眸が白い顔の上で開かれていた。 変な感じに気になった。長門がノーエモーショナルなのはいつでもどこでもだが、具体的に指摘はできないものの最近の長門は何かおかしいものがあるように思ったのだ。 「いや……」 呼び止めたのはいいが、よく考えたら言うべき言葉がないのに気付いて俺は少しばかり狼狽した。 「何でもないんだけどな。最近どうだ? 元気でやってるか?」 なんてバカなことを訊いているんだ俺は。 長門はパチリと瞬きをして、分度器で測らないと解らないくらいのうなずきを返した。 「元気」 「そりゃよかった」 「そう」 ほんの少ししか動かないほぼ凝固顔が、変に緩んでいるような……いや逆か、ことさらに固まっているような……。なんでそんな矛盾する意見が出てくるのか俺にも解らん。人間の認識能力なんかそんなもんじゃないか? と言って逃げておこう。 結局それきり言葉は続かず、俺は適当な別れの言葉を漏らすように言って、なぜか逃げるように長門から背を向けた。 なんだか解らないがそうしたほうがいいように思えたからだった。そして、会計をすませ店を出て自転車に乗って家まで戻り、晩飯喰って風呂入ってテレビを観ているうちに寝た。 八月三十一日深夜。 俺は机に向かって夏休みの課題の山と格闘していた。 ああ、そうさ。ハルヒに振り回されているうちにすっかり忘れていたのだ。 俺は眠い目をこすりつつひたすらシャープペンを走らせ続けていた。 ふと時計を見れば、まもなく日付が変わろうとしている。今夜は徹夜確実だ。 何かを呪いたい気分で毒づいていると、突然、携帯電話が鳴り始めた。 電話をするには非常識な時間であり、そんな常識を持っていないアホはハルヒくらいしか俺の周囲にはおらず、怒鳴りつけてやろうとして携帯電話のボタンを押した俺の耳に届いたのは、 『……ぅぅ(しくしくしく)……ぅぅぅぅ(しくしく)』 女の泣き声であった。素晴らしくもゾっとした。これはヤバイ。聞いてはいけないものがかかってきた。 いっておくけど、肝試しはとっく終わったぜ。延長戦はお断りだ。 携帯電話を放り投げようとした一秒前に、 『キョンくーん……』 嗚咽にまみれてはいたが、紛れもなく朝比奈さんの声がそう言った。 さっきと違う意味でゾクリときた。 「もしもし、朝比奈さん?」 『あたしです……あああ、とても良くないことが……ひくっ……うく……このままじゃ……あ…… ・ ・ ・ ・ ・ 現在日時、8月31日23時59分。 時間逆流開始予測時刻まで、あと50秒。 記憶リセット防止措置開始。 あと40秒。 措置完了。 あと20秒。 思考プロセスの混乱回避のため、思考機能を半スリープモードに移行。 あと10秒。 移行完了。 5、4、3、2、1……。 時間流停止、時間逆流開始を確認。
https://w.atwiki.jp/haruhi-2ch/pages/62.html
涼宮ハルヒの憂鬱II(2006年放送版第03話、構成第02話・DVD版第03話/2009年放送版・時系列第02話) スタッフ 脚本:山本寛 絵コンテ:北之原孝将 演出:北之原孝将 作画監督:米田光良 原作収録巻 第1巻:『涼宮ハルヒの憂鬱』より第2章のP66からP96まで、第3章P108~P119まで。計39ページ分をアニメ化。原作から再構成・時系列改変が行われた。 DVD収録巻 『「涼宮ハルヒの憂鬱」第1巻』に収録 紹介・解説など 原作の時系列が組みかえられているので、原作から入ってきた人は新鮮かも。ちなみにまだ古泉は未登場。TV版で見ていた人は、次回で混乱すること請け合い。 この回以降、2009年春までの作品において、Ani Villageなど会社単位で原画をグロス出しすることはなくなる。 (CLANNADなどでは、個人単位では発注している) 2006年放送順の提供バックのねこマンは『ツッパリねこマン』。(DVD第02巻に収録) 次回予告 TV版(『涼宮ハルヒの憂鬱』第1巻に収録): ハルヒ:次回!涼宮ハルヒの憂鬱第7話! キョン:違う!!次回、涼宮ハルヒの憂鬱第4話『涼宮ハルヒの退屈』。んえっ!?次野球?父ちゃん、俺はやるのか? DVD版: 有希:次回、『涼宮ハルヒの憂鬱 III』。見て。 放送版とDVD版との違い みくるがハルヒによってコンピ研につれられてきた後にTV版では、いないといけない場所にみくるがいない場面があったがDVD版では修正されている。 DVD版では、鞄の追加や、カーテンが閉まっているかの有無、ドアの上部の修正などの修正箇所が多数。 パロディ・小ネタ 展開がいきなり翌日になるところで『付いて来い』と言っている。 ピー音は原作では『りんかん』と言っている。 コンピ研の部員が見ているのは、『2ちゃんねる』。ちなみにIEで閲覧。 キャスト・スタッフ(詳細) キャスト 1段目 キョン:杉田智和 涼宮ハルヒ:平野綾 長門有希:茅原実里 朝比奈みくる:後藤邑子 2段目 谷口:白石稔 国木田:松元恵 朝倉涼子:桑谷夏子 キョンの妹:あおきさやか コンピ研部長:小伏伸之 部員A:石上祐一 部員B:ヤスヒロ 部員C フルヤミツアキ スタッフ 脚本:山本寛 絵コンテ:北之原孝将 演出:北之原孝将 作画監督:米田光良 動画検査:栗田智代 美術設定:田村せいき 美術監督補佐:平床美幸 色指定検査:下浦亜弓 制作マネージャー:富井涼子 原画 高橋博行 紫藤晃由 大藤佐恵子 松尾祐輔 端 由美子 松尾恵里 Ani Village 動画 佐藤綾 紅林誉子 多田夏美 細田はな Ani Village 仕上げ 永安真由美 嶋智子 山森愛弓 北岡なな子 Ani Village 背景 Ani Village李天馥 林貞女我 柳丙慮 申允美 李美眞 撮影 中上竜太 田中淑子 高尾一也 山本倫 石井和沙 浜田奈津美 梅津哲郎 (ポストプロダクションなどは省略) 放送日程 2006年(野球中継などは考慮せず) チバテレビ:2006年4月16日24時00分-24時30分 テレ玉:2006年4月16日25時30分-26時00分 tvk:2006年4月17日25時15分-25時45分 KBS京都:2006年4月17日25時30分-26時00分 テレビ北海道:2006年4月17日26時00分-26時30分 サンテレビ:2006年4月18日24時00分-24時30分 TBC東北放送:2006年4月18日26時00分-26時30分 東京MXテレビ:2006年4月19日25時30分-26時00分 テレビ愛知:2006年4月19日26時28分-26時58分 広島ホームテレビ:2006年4月22日26時05分-26時35分 TVQ九州放送:2006年4月22日26時40分-27時10分 2009年 サンテレビ:2009年4月9日24時40分-25時10分 テレ玉:2009年4月9日25時00分-25時30分 新潟テレビ21:2009年4月9日25時45分-26時15分 東京MXテレビ:2009年4月10日26時30分-27時00分 tvk:2009年4月10日27時15分-27時45分 TVQ九州放送:2009年4月11日26時40分-27時10分 テレビ和歌山:2009年4月12日25時10分-25時40分 テレビ北海道:2009年4月13日25時30分-26時00分 KBS京都:2009年4月14日25時00分-25時30分 広島テレビ放送:2009年4月14日25時29分-25時59分 チバテレビ:2009年4月14日26時00分-26時30分 奈良テレビ:2009年4月14日26時00分-26時30分 仙台放送:2009年4月14日26時08分-26時38分 メ~テレ:2009年4月14日27時55分-28時25分(1、2話連続放送:2話目) Youtube:2009年4月17日22時00分-2009年4月22日21時59分(1話とともに配信停止) RKK熊本放送:2009年10月25日25時50分-26時20分 DVDチャプター 使用サントラ 0 00~0 44『やれやれおいおい』サントラ05収録 0 45~1 50 SE 1 51~3 21 OP 3 22~3 53 SE 3 54~4 58『ザ・強引』サントラ05収録 4 59~5 26 SE 5 27~6 43『コミカルハッスル』サントラ06収録 6 44~7 25 SE 7 26~9 09 『何かがおかしい』サントラ02収録 9 10~11 17 SE 11 18~12 10『激烈で華麗なる日々』サントラ05収録 12 11~12 27 SE 12 28~14 04『おいおい』サントラ02収録 14 05~14 48 SE 14 49~15 24『悲しみあふれる』サントラ08収録 15 25~16 12 SE 16 13~17 47『うんざりだ』サントラ03収録 17 48~18 21 SE 18 22~18 41『憂鬱の憂鬱』サントラ02収録 18 42~20 45 SE 20 46~22 20『長門の告白』サントラ03収録 22 21~23 24 ED 23 25~23 39『冒険でしょでしょ?予告アレンジ』サントラ02収録 一覧 新アニメ 1期時系列 1期放映順 DVD 原作小説(巻) コミック収録巻 アニメサブタイトル #01 第01話 第ニ話 第01巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 I #02 第02話 第三話 第01巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 II #03 第03話 第五話 第02巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 III #04 第04話 第十話 第02巻 憂鬱(1) 第01巻 涼宮ハルヒの憂鬱 IV #05 第05話 第十三話 第03巻 憂鬱(1) 第02巻 涼宮ハルヒの憂鬱 V #06 第06話 第十四話 第03巻 憂鬱(1) 第02巻 涼宮ハルヒの憂鬱 VI #07 第07話 第四話 第04巻 退屈(3) 第03巻 涼宮ハルヒの退屈 #08 - - 新第01巻 退屈(3) 第03巻 笹の葉ラプソディ #09 第08話 第七話 第04巻 退屈(3) 第04巻 ミステリックサイン #10 第09話 第六話 第05巻 退屈(3) 第04巻 孤島症候群(前編) #11 第10話 第八話 第05巻 退屈(3) 第04巻 孤島症候群(後編) #12 - - 新第02巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #13 - - 新第02巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #14 - - 新第03巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #15 - - 新第03巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #16 - - 新第04巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #17 - - 新第04巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #18 - - 新第05巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #19 - - 新第05巻 暴走(5) 第05巻 エンドレスエイト #20 - - 新第06巻 溜息(2) 第05巻 涼宮ハルヒの溜息 I #21 - - 新第06巻 溜息(2) 第05巻 涼宮ハルヒの溜息 II #22 - - 新第07巻 溜息(2) 第05-06巻 涼宮ハルヒの溜息 III #23 - - 新第07巻 溜息(2) 第06巻 涼宮ハルヒの溜息 IV #24 - - 新第08巻 溜息(2) 第06巻 涼宮ハルヒの溜息 V #25 第11話 第一話 第00巻 動揺(6) 未制作 朝比奈ミクルの冒険 Episode00 #26 第12話 第十二話 第06巻 動揺(6) 第06巻 ライブアライブ #27 第13話 第十一話 第06巻 暴走(5) 第07巻 射手座の日 #28 第14話 第九話 第07巻 オリジナル 未制作 サムデイ イン ザ レイン